カエデの葉の形をした、光捕集効率の高い実用的な発光型太陽光集光器を発明  立命館大学

Image credit: Nishimura et al., doi 10.1117/1.JPE.14.035501

国際光工学会(SPIE)は2024年8月15日、立命館大学の研究チームがカエデの葉の形をした、光捕集効率の高い実用的な発光型太陽光集光器(LSC)を開発したと発表した。

LSCは、太陽光の捕集効率を高める目的で1970年代に発明された、発光材料を含む平面導波路を結合した太陽光電池だ。入射された光は発光して変換され、導波路を通って太陽光電池に伝搬する。しかし、発光は導波路内で自己吸収されるため、LSCの大面積化は困難だった。

そこで、研究チームは、LSCを小型にして複数結合する方法で課題を克服した。光ファイバーに発光プレートの表面を向けて近くに配置し、複数のファイバーで光を集める構造を設計した。同LSCは、木の葉のように、相互接続された発光部品の集合体として機能する。

研究チームは、正方形の葉の形をしたLSCの辺を50mmから10mmに小さくし、光の収集効率を評価した結果、光の捕集効率は0.21から0.42に向上した。葉の単位のモジュール設計は、破損した部分の交換を容易にする。また、新たに開発した発光材料の統合も可能だ。

同誌の編集長であるコロラド大学のSean Shaheen教授は、「同発見は、太陽光電池に光エネルギーを効率良く導くLSCの概念を推進します。著者らは、生物学に着想を得た設計を光工学に組み合わせ、実用に必要なデバイス効率を向上させました」と評した。

同研究成果は2024年7月19日、「Journal of Photonics for Energy」誌に掲載された。

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