- 2024-10-10
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- プラチナ・リング, ルビー, ルビー原石, 合成ルビー, 天然ルビー, 学術, 宝石廃棄物, 採掘, 核成長, 気候変動, 生物多様性, 西イングランド大学ブリストル校(UWE Bristol)
西イングランド大学ブリストル校(UWE Bristol)は2024年9月3日、同大学の研究者が、プラチナの指輪の中で宝石廃棄物から実物大のルビーを成長させる技術を開発したと発表した。同技術は、宝石業界に変革をもたらす可能性を持つという。
宝石の採掘は、土壌浸食や森林伐採、生態系の破壊など、多くの環境に悪影響をもたらす。理論上、採掘を止められるだけの原石が地球上に存在しているが、一般的に、既存の宝石を小さくカットしなおした宝石や実験室で合成した宝石は、天然の宝石よりも価値が低くなる。
UWE Bristolの上級講師であり、宝石商から科学者に転身したSofie Boons氏は、廃棄された宝石からルビーの核を精製し、必要な大きさのルビー原石に核成長させる技術を開発した。同技術は、合成ルビーが天然ルビーよりも価値が低いという、長年の認識を覆す可能性があるという。
UWE Bristolの副学長であるElena Marco教授は、「本技術は、地球に悪影響を与えない革新的な方法で宝石を生産する、より持続可能な方法を提供します。大学として、気候変動や生物多様性の強化、環境に対する学生や職員の取り組みに役立つ研究支援をしたいと考えています」と説明した。
同研究は今後、異なる金属構造の宝石へ応用される予定だ。
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World-first rubies grown in situ from waste materials | UWE Bristol