- 2024-10-28
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- Up.Summit, VDR2, Venus Aerospace, デトネーション(爆轟), ラムジェット, 回転デトネーションロケットエンジン(RDRE), 極超音速飛行, 極超音速飛行テストドローン
米Venus Aerospaceは2024年10月1日、交通技術のイベントUp.Summitにて、航空機用エンジン「VDR2」を発表した。同社はVDR2について、ドローンや航空機などへの搭載を想定し、高高度で長距離の極超音速飛行を実現する推進システムだと紹介した。
VDR2は、既存のロケットエンジンと異なる、「デトネーション(爆轟)」と呼ばれる超音速の燃焼現象を利用する「回転デトネーションロケットエンジン(RDRE)」の高い推力および効率と、ラムジェットによる高効率巡航の性能を兼ね備えている。
VDR2の構造は、合理化された気流設計により抵抗を低減し、複雑な機械部品を必要としない。離陸から極超音速のマッハ6までの速度域を単一のエンジンで対応し、巡航時に高効率を発揮するラムジェットの技術を組み合わせている。
Venus AerospaceのAndrew Duggleby博士はコメントで、高速空気燃焼の専門知識を持つ米Velontraとの協業に期待を寄せた。また、Velontraの最高執行責任者であるEric Briggs氏も、理論上のコンセプトから初飛行を経て完成を目指す過程への期待を述べた。
両社の協業は、商業および防衛分野における高速飛行経済の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すかたちになる。VDR2エンジンは、2025年にVenusの極超音速飛行テストドローンに搭載して、初飛行に臨む予定だ。
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