超薄型パワー半導体ウエハーを発表——厚さ20μmで直径300mm インフィニオン

インフィニオン テクノロジーズは2024年10月29日、これまで大規模半導体工場で製造されたなかでもっとも薄い、厚さ20μmで直径300mmというシリコンパワーウエハーの取り扱いと加工に成功したと発表した。現在の最先端ウエハーの約半分の厚さであり、人間の髪の毛の4分の1の厚さとなる40~60μmを達成している。

発表した超薄型シリコンウエハーは、ウエハーの厚さが半分になることで、ウエハーの基板抵抗が50%減少する。さらに、電力システムにおける電力損失が、従来のシリコンウエハーをベースとしたソリューションと比べ、15%以上削減できる。

電圧を230Vから1.8V以下のプロセッサー電圧に下げる必要があるが、超薄型ウエハー技術は、縦型トレンチMOSFET技術に基づく縦型電力供給設計を強化する。AIチッププロセッサーへ非常に近い接続ができるため、電力損失を低減し、全体的な効率性を向上させる。20μmの薄さのウエハーの加工は、製造の複雑さを増すことなく、既存のシリコン量産ラインに新技術をシームレスに統合できる。

この技術は、同社のインテグレーテッド スマート パワーステージ(DC-DCコンバーター)に採用され、最初のユーザーに納入されている。同社は現在、超薄型ウエハー技術を立ち上げており、今後3~4年以内に、低電圧電力変換器用の既存の従来型ウエハー技術を代替することを期待している。

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インフィニオン、世界最薄のシリコン パワー ウエハーを発表 – Infineon Technologies

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