- 2025-1-9
- 技術ニュース, 海外ニュース, 電気・電子系
- CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物), Nature, カーボンフットプリント, シリコン, タンデム型太陽電池, ペロブスカイト, ポツダム大学, 中国科学院, 太陽電池, 学術, 有機吸収層, 有機太陽電池, 短波長と長波長(例えば青/緑色と赤/赤外線)領域
独ポツダム大学と中国科学院の研究チームは2024年11月28日、ペロブスカイトと有機吸収層を組み合わせたタンデム型太陽電池を開発したことを発表した。エネルギー変換効率は25.7%と高い値を記録した。
太陽電池の効率を高めて化石エネルギーから脱却することは、太陽電池の研究の大きな目標だ。太陽電池が太陽光を最大限活用する方法として、短波長と長波長(例えば青/緑色と赤/赤外線)領域を選択的に吸収する2種類の材料を組み合わせることが知られている。これまで、赤/赤外線を吸収するのに最適とされた材料は、シリコンやCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物)などであった。しかし、これらの材料は、高温での処理が必要であり、カーボンフットプリントが比較的高いという課題があった。
研究チームが採用した有機太陽電池とペロブスカイトの技術は、低温処理が可能でカーボンフットプリントが小さい。有機太陽電池は、光の吸収範囲が赤から赤外線領域まで拡張された。ペロブスカイト層は、青/緑色領域のみを吸収するように調整した場合に損失が大きかったため、新しいパッシベーション膜を導入して材料の欠陥を低減し、太陽電池全体の性能を向上させた。その結果、変換効率は25.7%という記録的な値を示した。
研究成果は、10月14日付で「Nature」誌にて公表された。