微生物を利用したバイオスマートコンクリートを開発――強アルカリ耐性菌「AH株」を獲得 安藤ハザマら

安藤ハザマは2025年1月8日、静岡理工科大学、愛媛大学、港湾空港技術研究所と共同で、微生物を高度利用したバイオスマートコンクリートの開発を進めていると発表した。その一環として、pH11~12の強アルカリ条件下でも代謝活動と増殖ができる、強アルカリ耐性菌「AH株」を獲得した。

共同開発では、バイオスマートコンクリート「BiSCo」の開発を進めている。BiSCoは、微生物の代謝活動により、コンクリート中の溶存酸素を消費し、かつ、酸素と水の供給路となるひび割れを自己治癒することで、酸素や水を不足させ鉄筋腐食を防止する。

一般的な好気性微生物は、高pH環境では死滅あるいは芽胞となって休眠する。pHが9程度より低い環境にならなければ代謝活動できないため、強アルカリ材料であるコンクリート中での代謝活動が制限される課題があった。

今回獲得した強アルカリ耐性菌「AH株」は、pH11~12の強アルカリ条件下でも代謝活動と増殖ができ、芽胞形成機能も有する。供試体を、コンクリート練混ぜ時にAH株と栄養素を添加したバイオスマートコンクリートで作製し、漏水実験を行った。実験の結果、繰り返し導入したひび割れが自己治癒され、漏水が止まった。

今後は、鉄筋腐食抑制効果とひび割れ自己治癒効果の実証を進め、実用化を目指す。

関連情報

微生物を高度利用したバイオスマートコンクリートを産学官連携で共同開発 | 新着情報|Be a ChangeBuilder. 安藤ハザマ

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る