キャパシタとは?
キャパシタとは、静電気を利用して蓄電する蓄電装置のこと。電池が化学反応によるイオンと電子の移動で蓄電するのに対し、静電気で蓄電するという特徴がある。
電気二重層現象(※)を利用した電気二重層キャパシタ(EDLC)に加え、静電気と化学反応の併用により蓄電するリチウムイオンキャパシタ(LiC)がある。
EDLCは1972年に松下電器(パナソニック)が「ゴールドキャパシタ」として開発し、1978年には携帯電話用バックアップメモリーとして商品化に成功した。
既存の二次電池と比べ、化学反応を伴わないためより多くの再充電が可能で、蓄電能力も大きいという特性があるため、今後のエネルギーとして期待されている。
最近では大容量キャパシタといわれる、1F(ファラッド)以上の蓄電能力を有するものが主流だ。
※異なる性質の半導体など、二層間でイオンと電子、正孔が界面を挟んで配列する現象
キャパシタを取り扱う企業は?
パナソニックではDVDレコーダーやサーバー、デジタルTVなどの電力供給停止時のRTC(リアルタイムクロック)、メモリバックアップなどに応用している。
また、天候などによりパフォーマンスが左右される太陽光発電の平準化装置としてキャパシタが補助電源として用いられる場合もある。
頻繁な充発電が求められるレーザープリンタやコピー機にも採用されている。リコーはimagio NeoシリーズにEDLCを採用し、定着電源の補助に活用している。
矢野経済研究所が発表した「大容量キャパシタ市場に関する調査2015」によると、2014年度の市場規模は97.5億円とされており、2018年度には200億円を超す規模に成長すると試算している。
中でも、300F以上の容量帯のEDLCが自動車のアイドリングストップシステム用途に用いられ、今後も市場全体を牽引すると予測している。
キャパシタに携われる求人は?
開発や商品販売、マーケティングといった求人があるが、既存マーケットではなく新規開拓的な性質の強い求人割合が多い。
キャパシタそのもののノウハウに加え、新規商品の開発/マーケティング経験がある人材を求める傾向があるようだ。