ヒートポンプとは?
ヒートポンプとは、熱媒体の利用により少ない投入エネルギーで空気中や地中の熱エネルギーを集め、使用電力量以上の熱エネルギーを得る技術。乾燥器や給湯器、冷暖房機など、日常生活の様々な場所で応用されている。
性能はCOP(成績係数)という、冷却/加熱能力を使用電力で割った単位(kW)で表される。1999年に定められたトップランナー方式(※)の導入などにより近年機能改善が進み、COPは上昇している。
効率化された熱エネルギーの蓄積・利用により、省エネや二酸化炭素排出量の削減、さらには夏季/冬季における電力消費量の平準化にも役立っている。
※市場の省エネ製品のうち、最も高性能なメーカー以上の水準に目標値を定める方式
ヒートポンプを取り扱う企業は?
個人住宅用の冷暖房や給湯器、ビルの空調、農業用など応用範囲の広い技術であり、扱う企業も多数に及ぶ。
日立やパナソニックをはじめとする家電メーカーからは、ヒートポンプ技術を利用した給湯機(エコキュート)が販売されている。
2001年に商品化されたエコキュートは、2014年度の市場規模は565億円、出荷台数としては500万台を突破した。
また、家庭用エアコン/業務用の空調設備については、これまで用いられていた石油ストーブやガス暖房からの代替が進められている。
ヒートポンプや太陽光パネルなどを組み合わせた、ハイブリッド暖房・給湯システムの開発を進めている企業もある。ダイキン工業は2013年、旭川市にハイブリッド暖房システム用のモデルハウス「ダイキン旭川ラボ」を設立。寒冷地での事業拡大を狙う。
ヒートポンプに携われる求人は?
空調や冷暖房、給湯器関連メーカーでの求人が多い。開発職や設計職の他、営業、保守メンテナンス職の募集もある。
開発職は熱/冷凍サイクルに関する知識、営業職であればターゲット先業界への勤務経験や、これまで導入されていたボイラーや燃焼ガス、石油など旧エネルギーの有識者が歓迎される傾向にある。