スマートメータとは?
スマートメータ(smart meter)とは、通信機能とデジタル表示を備えた高機能電力メータ。従来のアナログ式は作業員による現場での検針作業やON/OFFなどの操作が必要だったが、スマートメータは通信機能を備えているため、現場にいなくても電力会社が電力使用量の計測や遠隔操作ができる。電力使用量は30分間隔で計測され、情報が自動的に電力会社のサーバに送られる。スマートメータには宅内向け通信機能も搭載されているため、自宅のHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)対応エアコン/冷蔵庫などで家電機器別の使用量を確認でき、各家電機器/部屋ごとでよりきめ細やかな省エネ対策が可能になる。さらにHEMS機器とスマートフォンなどと連動することで、外出先から家の電気使用量をチェックしたり、家電を操作したりできるようになる。各電力会社ではスマートメータの導入を進めており、国の方針として2020年代の早い時期にすべての需要家に設置する目標を掲げている。
スマートメータを取り扱う企業は?
スマートメータの全需要家への導入は国策として進められており、電力会社からの調達に応じるスマートメータメーカー各社も今後の需要に期待している。電力会社の中で先行する東京電力は、2020年度までにサービスエリア全てにスマートメーターを設置する計画だ。中部電力は電気使用量を分析する省エネアドバイスや、離れた場所に住む家族などの電気の使用状況を確認できる「見守りお手伝いサービス」を、東京電力は、引っ越しの際に電力量を遠隔操作で取得するサービスや、停電の際に遠隔でスマートメータの通電状況を確認することで復旧までの時間の短縮化を図るなど、各電力会社でスマートメータを活用したサービスの導入を進めている。各電力会社のスマートメータの調達先は、大崎電気工業、GE富士電機メーター、東光東芝メーターシステムズ、三菱電機など。HEMSのメーカーは、パナソニック、東芝、京セラ、シャープ、NECなどがある。
スマートメータに携われる求人は?
日本全国でスマートメータへの切り替えは急ピッチで進んでおり、電力会社から委託された業者よる交換作業員の求人が多くみられる。メーカーからは電子回路設計、組み込みマイコンのシステム設計、品質保証、電力会社との共同研究などの求人はあるが、スマートメータ関連開発業務に特化した求人の数は少ない。スマートメータに関連した求人では、HEMS対応家電の設計/開発や、スマートハウス向け制御システム開発などの求人がある。