日本電波工業、高い周波数温度特性を持つ高安定水晶発振器を開発

日本電波工業は2017年10月30日、-40〜+105℃の広温度範囲で±100×10-9の温度特性を持つ高安定TCXO(温度補償水晶発振器)「NT7050BB/BC」を開発したと発表した。小型セル基地局用など高安定化・広温度対応が求められる装置に向け、2018年1月にサンプル出荷を開始する。量産は2018年6月を予定している。

次世代Wi-Fi通信システムや第5世代移動体通信方式(5G)などにおいては、データ量の増加と高速化に対応するため、基地局のカバーエリアを狭めて処理を分散させ、負荷軽減する「極小セル基地局」あるいは「スポットセル基地局」と呼ばれる方式が検討されている。そこで使用される水晶発振器には、従来以上に耐高温度性能、低位相雑音化および低消費電力化が要求される。

こうしたニーズに対応して、同社では今回、世界最高性能(同社調べ)という周波数温度特性を持つ高安定TCXOを新たに開発した。新しい温度補償技術の採用で高い補償精度を可能とし、また同社の技術によって育成された人工水晶により高Q値の水晶振動子を実現して位相雑音特性を改善。周波数温度特性は±100×10-9/-40〜+105℃、位相雑音特性は-97dBc/Hz(離調周波数10Hzにて)、位相ジッタは112fs(12kHz〜5MHz)を実現している。

NT7050BB、NT7050BCとも、外形サイズは7.0×5.0×2.0mm。端子数はNT7050BBが4端子、NT7050BCが10端子となっている。

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