- 2023-10-8
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- Aditya Solar wind Particle EXperiment(ASPEX), Aditya-1, High Energy L1 Orbiting X-ray Spectrometer(HEL1OS), Plasma Analyzer Package for Aditya(PAPA), PSLV-C57, Solar Low Energy X-ray Spectrometer(SoLEXS), Solar Ultraviolet Imaging Telescope(SUIT), Visible Emission Line Coronagraph(VELC), インド宇宙研究機関(ISRO), ハロー軌道, ラグランジュ点L1, 太陽コロナ, 太陽観測衛星, 磁力計(MAG)
インド宇宙研究機関(ISRO)は、2023年9月2日、インド初の太陽観測衛星「Aditya-1」を搭載したロケット「PSLV-C57」の打ち上げに成功した。
Aditya-1は63分20秒飛行した後、地球周回軌道への投入に成功。9月30日には地球から約150万km離れた太陽-地球系のラグランジュ点L1へ向かって、地球の影響圏を脱出。その後、110日後にL1を周回するハロー軌道に到着する予定だ。このL1に配置すると、太陽までの障害物がなく、地球の磁場や大気の影響も受けずに太陽の放射や磁気嵐の様子を確認できるという。
Aditya-1には科学ペイロードが7つ搭載されている。太陽コロナとコロナ質量放出のダイナミクスを観測する「Visible Emission Line Coronagraph(VELC)」、近紫外領域の太陽の光球や採層を撮像し、太陽放射照度変動を観測する「Solar Ultraviolet Imaging Telescope(SUIT)」、太陽風の高エネルギーイオンを測定する「Aditya Solar wind Particle EXperiment(ASPEX)」、太陽風イオンの質量分析を行う「Plasma Analyzer Package for Aditya(PAPA)」に加え、軟X線分光器「Solar Low Energy X-ray Spectrometer(SoLEXS)」と硬X線分光器「High Energy L1 Orbiting X-ray Spectrometer(HEL1OS)」、L1での惑星間磁場を測定する磁力計(MAG)を用いて、太陽観測とL1における粒子などの研究を実施する。
今回のミッションにより、太陽の上層部の大気であるコロナと彩層のダイナミクスや、部分電離プラズマの物理特性、コロナガス噴出開始などの研究や、太陽からの粒子動力学研究に必要なデータ収集、太陽コロナとその加熱メカニズムの解明などが進むことが期待されている。
関連情報
PSLV-C57/ADITYA-L1 Mission
ADITYA-L1
ADITYA-L1 Mission Details