水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功―― 極低温の液体水素が満ちた状態で高速回転 日機装

日機装は2023年10月4日、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功したことを発表した。世界で初めて、液化水素(-253℃)で満たされた極低温の状態(浸漬状態)で、モータ一体型ポンプが小型電動モータで高速回転し、液化水素を送り出した。

航空分野の脱炭素に向けた次世代の航空機として、燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素を燃料とする水素航空機が有力視されている。同社は、水素航空機の研究開発を進める川崎重工から、液化水素ポンプの開発委託を受け、2025年度の納入を目指している。

今回、液化水素ポンプとして、燃料タンクからエンジンポンプへ液化水素を昇圧し、送液するブースタ・ポンプを開発した。航空機用ポンプは小型、軽量が求められ、また水素は低密度で昇圧しにくいことから、必要な圧力や流量の確保を目指し、従来のポンプ設計に比べ電動モータを高速回転化した。

同社は、液化天然ガス(-163℃)など極低温流体に対応した産業用特殊ポンプの製造で培ったノウハウを活かし、液化水素の極低温下でも高速回転するモータや高速回転に耐えうる軸受、高効率なポンプなどを設計、開発した。

6月にJAXA角田宇宙センターにて実験を実施したところ、設計通りの良好な結果を得た。今後、実験で得られた結果を分析し、さらなる小型、軽量化と長寿命化を目指す。

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水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功 世界初、浸漬状態における高速回転で

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