ラボスケールでマイクロ波を用いた鉄鉱石から鉄への還元に成功マイクロ波化学

マイクロ波化学は2023年12月13日、ラボスケールでマイクロ波を用いた鉄鉱石から鉄への還元に成功したことを発表した。開発した技術は、水素やバイオマスなどを用いた還元にも適用でき、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル実現に向けて有効と考えられる。

一般的に製鉄プロセスは、鉄鉱石と石炭（コークス）から高炉、転炉で還元、溶解して生産したり、電炉で鉄スクラップを溶解して生産する。その中でも現行の高炉法では、大量のCO₂が石炭を還元する課程で不可避的に排出され、環境負荷の大きな要因となっている。

今回、鉱山プロセス開発に向けたマイクロ波技術プラットフォーム「Green Mining-MX」を用いることで、その後の事業化の足掛かりとなる、ラボスケールでの鉄鉱石から鉄への還元に成功し、これまでマイクロ波での鉄鉱石の還元で課題になっていたスケールアップを解決した。

鉄鉱石や還元剤として用いられる石炭は、マイクロ波を吸収しやすく、マイクロ波での直接加熱によって、消費エネルギーやCO₂排出量を減少できる。

同社は今後、実用化に向けて技術の確立を目指す。2025年までに同社が保有する標準ベンチ装置で実証試験を実施し、その後の事業展開を見据えて事業パートナーを募るほか、製鉄プロセスの上流工程である鉄鉱石のペレタイズプロセスなどにも技術を応用する。

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