水分保持機能を向上させたシリカ系微粒子を開発――電子部品の信頼性向上に期待 宇部エクシモと豊橋技術科学大

宇部エクシモは2019年7月31日、豊橋技術科学大学と共同で、従来品である「ハイプレシカ」を改良し、水分保持機能を向上させた高純度シリカ微粒子を開発したと発表した。

ハイプレシカは、ゾルーゲル法により合成したシリカ微粒子で、粒度分布が非常に狭く、かつ純度が高い。そのため、主用途の液晶ディスプレイパネルのギャップ材のほか、各種樹脂材料を高機能化するフィラーとして用いられている。一方、電子材料を保護する封止材には、一般的にエポキシ樹脂組成物が多く用いられているが、これに吸水性のあるハイプレシカを含有させることで、耐湿性の向上が可能だ。しかし、特殊な高温環境下に曝されると、吸湿した粒子中の水分が放出される可能性があった。

そこで、研究グループは今回、シリカ粒子にシリカとアルミナの複合酸化物を被覆した複合粒子を開発。この粒子の脱水速度は、従来品に比べ脱水速度が遅く、脱水状態となるまで2倍以上の時間を要し、吸湿した粒子中の水分が放出されにくいことを確認した。この粒子は、フィラーとして電子材料の封止樹脂等に混練することで、樹脂内の水分を吸水して保持するため、電子部品の信頼性向上が期待できるという。

研究グループは、さらなる吸水性能増加タイプの開発も進めており、電子材料の封止材用途のほか、新たな用途への市場開拓にも注力していくという。

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