宇部エクシモは2016年10月26日、高周波基板向け液晶ポリマー銅張積層板「エクシラム-L」の量産化に成功したと発表した。低誘電率、低誘電正接が特徴の液晶ポリマーフィルムと低粗度の銅箔をラミネートし、通信速度の高速化に対応した製品だ。
銅張積層板では、高速伝送のためには絶縁層の低誘電率・低誘電正接化とともに、銅箔の張合せ面の低粗度化がポイントになる。しかし銅箔の低粗度化はピール強度(引き剥がし強度)とトレードオフの関係になるため、従来のロールラミネート技術では、強度を確保することが困難だったという。
今回同社では、高温・均一に圧力をかけることのできる独自のラミネート技術を用い、Rz 1μmの低粗度銅箔と液晶ポリマーフィルムをラミネート。1N/mm以上のピール強度を実現したという。
同製品は現在、自動車の衝突防止センサーシステムのミリ波レーダーアンテナ部品や、スマートフォンなどの携帯端末機器等に採用されており、今後第5世代携帯電話や自動運転システムでの利用拡大を目指している。
同社では、エクシラム-Lをラインナップに加えることで、銅張積層板全体の今年度の売り上げ25%増を目指すとしている。