エンジニア向けインターンシップは参加した方が良い?エンジニアの就活事情に関して

学生が就職やキャリア形成を考える際に、有効な手段とされるのが「インターンシップ」です。実際の業務を体験することで自身の適性を見極めたり、課題を発見できたりします。

しかし、インターンシップと一口に言ってもさまざまな種類があるため、適切なものを選ぶ必要があります。この記事では、エンジニア向けインターンシップの概要や探し方などを解説します。どうぞご覧ください。

エンジニアのインターン市場

エンジニアのインターン市場は、IT業界の発展に伴い活発化しています。

総務省の『令和6年版 情報通信白書 第1章 ICT市場の動向』によると、2023年における世界
のICT市場規模は657兆3000億円でした。2022年の596兆1000億円から10.3%増えており、
2024年には702兆1000億円まで伸びると見込まれています。

このように著しい成長を続けるIT業界で深刻な問題となっているのが、人材不足です。経済産
業省の『IT人材需給に関する調査 調査報告書』によると、2030年には最大約79万人のITエン
ジニアが不足すると試算されています。

このエンジニア不足を回避するために、多くの企業がインターンシップを実施するようになりま
した。早期に学生と接触して自社をアピールできるほか、就業体験をしてもらうことで入社後の
ミスマッチを減らせる利点もあります。

エンジニア系インターンシップの概要

エンジニア系インターンシップの概要を、以下の4点に分けて解説します。

• 未経験でも参加しやすい
• 期間はさまざま
• 就活に有利に働く
• 多くの学生が参加

それぞれ見ていきましょう。

未経験でも参加しやすい

インターンシップは新卒者を対象としていることから、エンジニアとしての実務経験は求められていません。そのため、未経験でも参加できます。

インターンシップには、企業説明会などのイベントから長期的な就業体験まで、さまざまな種類があります。しかし、企業説明会などのイベントは、本来あるべきインターンシップの姿ではありません。そのため、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(産学協議会)は、2022年にインターンシップを改めて定義しました。

産学協議会の「産学で変えるこれからのインターンシップ」によると、「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」として、以下の4タイプが定義されています。

・タイプ1:オープン・カンパニー
・タイプ2:キャリア教育
・タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
・タイプ4:高度専門型インターンシップ

「タイプ1」と「タイプ2」は、企業説明会や教育プログラムなので未経験でも参加しやすくなっています。「タイプ3」と「タイプ4」は、就業体験を必須とする本来のインターンシップです。実務経験は不要でも、ある程度のスキルがないと参加が難しいこともあります。

期間はさまざま

インターンシップの期間は、種類によってさまざまです。産学協議会による「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」では、参加期間(所要日数)も定義されています。

「タイプ1:オープン・カンパニー」の期間は「超短期(単日)」です。企業や就職情報会社、大学のキャリアセンターが実施する説明会やイベントなどが想定されています。

「タイプ2:キャリア教育」は、大学が主導する授業、産学協働プログラム、企業がCSRとして実施するプログラムなどで、期間は「授業・プログラムによって異なる」とされています。

「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」の期間は、汎用的能力活用型が「短期(5日間以上)」、専門活用型は「長期(2週間以上)」です。

「タイプ4:高度専門型インターンシップ」は、自然科学分野の博士課程学生を対象にした「ジョブ型研究インターンシップ」と、「高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ(仮称)」に分けられます。「ジョブ型研究インターンシップ」の期間は「長期(2カ月以上)」で、修士課程学生向けの期間は検討中とされています。

実際の業務を体験して自分の適性を確かめたい場合は、「タイプ3」や「タイプ4」への参加が必要です。企業や業界への理解を深めたい場合は、「タイプ1」と「タイプ2」を活用すると良いでしょう。

就活に有利に働く

インターンシップは、採用選考に必須のものではありません。しかし、インターンシップに参加することは、就活をする上で有利に働きます。

産学協議会による「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」では、「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」の目的を「就業体験を通じて、学生にとっては自らの能力の見極め、企業にとっては学生の評価材料の取得」とし、「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の目的を「就業体験を通じて、学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の取得」としています。

どちらも「企業にとっては学生の評価材料の取得」とあることから、インターンシップを通じて選考を開始しているといっても過言ではありません。取得した学生情報を採用活動に活用するのは「採用活動開始以降に限り、可」とされています。特に本命企業のインターンシップは、参加して入社意欲をアピールした方が良いでしょう。

また、「学生にとっては自らの能力の見極め」とあるように、インターンシップに参加することで自身の適性が分かります。適性が分かれば自己PRなどの説得力が増すため、さらに選考を有利に進められるでしょう。

多くの学生が参加

サポーターズが実施した調査「参加してよかったエンジニアサマーインターンシップランキング2024」によると、90.3%の学生が「サマーインターンに参加したことがある」と回答しています。

「参加したインターンシップの期間」は、以下の通りでした。

・1日のオープンカンパニー 20.7%
・2〜3日程度のインターンシップ 22.3%

・1〜3週間程度のインターンシップ 36.7%
・1カ月以上のインターンシップ 20.7%

「1〜3週間程度のインターンシップ」が最も多く、約4割です。これは産学協議会による「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」の「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」に当たります。

「経験社数」は、以下の通りでした。

・1社 30.0%
・2社 24.6%
・3社 18.2%
・4社 8.1%
・5社 10.8%
・6社以上 8.4%

6社以上参加している学生もいますが、3社以下の学生が約7割を占めます。また、「満足度の高かったインターンシップの内容」は「実際の業務」が最多で20.9%でした。

夏休みを利用して、「実際の業務」ができる「タイプ3」の「1〜3週間程度のインターンシップ」に「1〜3社」参加する学生が多く、満足度も高い傾向にあることが分かります。

エンジニア系インターンシップの探し方

エンジニア系インターンシップは、「求人サイトで探す」「SNSで探す」「企業へ直接連絡する」「説明会やイベントに参加する」「OBや知人に紹介してもらう」「大学のキャリアセンターに問い合わせる」など、さまざまな探し方があります。

ここでは、以下の2点に焦点を当てて解説します。

• 求人サイトで探す
• SNSから探す

それぞれ見ていきましょう。

求人サイトで探す

インターンシップを最も手軽に効率良く探せるのが「求人サイト」です。

産学協議会による「学生のキャリア形成支援活動(4類型)」の「タイプ1:オープン・カンパニー」「タイプ2:キャリア教育」を探すなら、「マイナビ」「リクナビ」「ONE CAREER」「キャリタス就活」「あさがくナビ」などが適しています。

「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の長期インターンならば、「Wantedly」「Infraインターン」「ゼロワンインターン」「Renew」「インターンシップガイド」などがおすすめです。

求人サイトは、さまざまな条件で検索できます。アルバイト探しと同じ感覚で「週3日以下でもOK」「週4日以上歓迎」「1カ月からOK」など、学業の状況に応じた検索が可能です。平日に時間が取れない場合は、「土日だけでもOK」というインターンシップもあります。勤務地も全国から選べ、「フルリモート可」であれば遠方からの参加も可能です。

また、インターンシップは3年生がメインと思われがちですが、「1、2年生歓迎」や「4年生歓迎」もあります。スキルに自信がない場合は、「未経験者歓迎」を狙うと良いでしょう。

SNSから探す

求人サイトの他に、X(旧Twitter)、Instagram、LinkedIn、Facebook、TikTokなど、各種SNSでもインターンシップを探せます。

「#エンジニアインターン」や「#学生インターン」などのハッシュタグで検索するほか、PHPやRuby、Pythonなど、勉強しているプログラミング言語があれば「言語名 インターン」で検索するのも効率的です。Webエンジニアやインフラエンジニア、システムエンジニアなど、なりたいエンジニアが決まっているなら「なりたいエンジニア名 インターン」で検索するのも良いでしょう。

求人サイトは掲載コストがかかりますが、SNSは不要です。そのため、あまり採用コストをかけられない、ベンチャー企業やスタートアップ企業などのインターンシップを探せます。より裁量のある就業体験を求めるならば、SNSの方が希望にマッチした企業を見つけやすいです。

ただし、SNSの情報だけでは条件や環境などがよく分からない場合があります。中には学生を騙したり、やりがいを搾取したりするブラックインターンもあるため注意が必要です。Webサイトや口コミなどの情報も確認した上で、応募するようにしましょう。

長期インターンシップはスキルが必要なところが多いのも実情

昨今、ITエンジニアのスキルが一般的になってきていることもあり、長期インターンシップは以前に比べてスキルを求められるケースが増えてきました。「未経験OK」となっていても、スキルのある学生からの応募が多ければ、未経験者は選考で落とされてしまうかもしれません。

そもそもエンジニアは「自走力」が必要とされ、手取り足取り教えてもらうのではなく、自分で勉強し続けなければ活躍できません。特に人気のある企業のインターンシップを狙うのであれば、ある程度プログラミングなどを勉強しておく必要があります。

さらにポートフォリオとしてWebサービスやアプリケーションを作り上げた経験があれば、やる気とスキルを証明しやすいため、選考で有利になるでしょう。

エンジニアのインターンなら「メイテック」

ここではプロフェッショナルなエンジニアによるエンジニアリングソリューションサービスを提供しているメイテックのインターン事例を紹介します。

メイテックグループは日本の数多くの製造業と取引があり、13,000名を超えるエンジニア社員がさまざまな業界で設計・開発業務に携わっています。そのエンジニア社員のキャリアアップ支援を事業活動として行っている強みを生かし、理系学生に向けて「キャリア形成」、「設計開発の職種研究」、「製品企画の職種研究」をテーマにした「1day仕事体験」を開催しています。(※記載しているのは、26年卒向けに実施している内容です)

メイテックでは、1day仕事体験の目的を「エンジニアの働き方を知ってもらう」、「ものづくりの面白さや魅力に気付いてもらう」、「自社で働いた場合にどんなキャリアが描けるかを知ってもらう」こととして、学生の志向や就職活動の進行状況に応じて参加コースを選べるようにし、全国どこからでも参加できるよう対面とWEB形式を用意しています。2022年は、のべ3,700名以上の理系学生が参加した人気コンテンツです。

■「プロエンジニア仕事体験型コース」
機械、電気、IT系のエンジニアが、どのように設計開発業務を行っているのかを疑似体験できるコース。VRゴーグル、自動運転、介護ロボットの開発をテーマとして、5~6人のグループでワークやディスカッションを行い、設計開発の中にもさまざまな仕事があることや、チームで協力することの大切さを学ぶことができる。

■「キャリアステップ体感型コース」
メイテックで描けるキャリアを、エンジニアが独自開発したカードゲームを通じて体感できるコース。自分が望むキャリアプランに対し、景気やライフイベントなどを加味してエンジニア人生を疑似体験し、自分の選択肢をどのように広げて成長できるかを学ぶことができる。

>>メイテックの「インターンシップ/会社説明会」に興味のある人はこちら

まとめ

エンジニア向けインターンシップの概要や探し方などを解説しました。

エンジニアを目指すならばインターンシップに参加した方が、自身の適性が分かるとともに、採用選考にも有利になります。さまざまなインターンシップがあるため、この記事の内容を参考に、適切なものを選ぶようにしましょう。

エンジニア向けインターンシップに興味がある方は、ぜひメイテックグループにお問い合わせください。

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ライタープロフィール

fabcross for エンジニア 編集部

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