中国の衛星「Einstein Probe」、激しいX線フレアを観測――未知の過渡現象の可能性も

Chinese Academy of Sciences/Handout via Xinhua

中国科学院が2024年10月31日、2024年1月に打ち上げた衛星「Einstein Probe(EP)」の初期成果を発表した。

EPは、ロブスターの目の特殊な構造を模倣して広視野観察とX線焦点画像化を同時に実現する広視野X線望遠鏡(Wide-field X-ray Telescope:WXT)と、捕捉した過渡的なX線発生源のクローズアップ画像と正確な位置を示すフォローアップX線望遠鏡を搭載している。宇宙における花火のような過渡現象の観測/解明を目的としており、1054年に中国人により観測された「天関客星」の超新星爆発にちなみ、「天関」という別名も付けられている。

EPは、試験運用の初期段階ですでに60件の現象を観測しており、そのうちの1つ、コード名「EP240408a」と呼ばれる現象で激しいX線フレアを観測した。このフレアは明るさが300倍に増加し、12秒間継続した。約10日後には発生源からのX線放射は消失した。EPミッションの主任研究員で中国科学院国家天文台の研究者Yuan Weimin氏によると、同現象はこれまで知られていた過渡現象とは一致せず、未知の種類の過渡現象である可能性を示しているという。

関連情報

China’s Einstein Probe Astronomical Satellite Sheds New Light on Universe—-Chinese Academy of Sciences

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