ミシュランは「MOVIN’ON 2017」(6月13~15日、カナダ・モントリオールで開催)において、コンセプトタイヤ「VISION」を発表した。
VISIONは、持続可能なモビリティ社会の実現という同社のビジョンと、循環型経済のフレームワークに沿ったタイヤのコンセプトモデルであり、「空気を使わず、IoTにも対応し、再生可能かつオーガニック」という特徴を備えた未来のタイヤだ。柔軟なゴム素材は接地するトレッド面にのみ使用し、タイヤとホイールが一体化したハニカム構造で強度を持たせている。従来のタイヤと異なり高圧空気を使わないため、パンクやバーストとは無縁だ。また、生物由来かつ生分解性の素材を使うことにより、環境負荷を軽減しているという。
VISIONのトレッドは、摩耗しても3Dプリンターで再構築できる。低温硬化技術を用いた素材は、従来のトレッドと同じ性能を持つが、生分解性を有する点が大きく異なる。更に、オフロードや降雪路など路面状況に合わせてトレッドパターンや高さを最適化してプリントすることで、使用する材料を必要最小限にすることができる。更に、VISIONに組み込まれたセンサーを活用し、車両と通信してトレッドの磨耗や交換時期を通知したりできるようになる。
同社によると、VISIONは夢のタイヤだが、それを構成する技術はどれも同社の研究部門が取り組んでいる領域にあり、手が届くところにある実現可能な夢だとしている。