~「優しい」「感情をコントロール」など、感情面で先輩に頼りたい若手社会人~
ポイント
- 先輩からのオススメ書籍は「嫌われる勇気」「論語」「道をひらく」
- 新社会人が伸ばしたいのは「専門知識・スキル」(57.7%)だが、先輩社員が求めるのは「責任感」(50.9%)
- 若手が尊敬できる先輩は「仕事の指示が丁寧」(67.3%)、「ミスしたときフォロー」(64.4%)、「発言に一貫性」(52.7%)
調査概要
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」では、社会人1~3年目の技術系会社員150人と事務系・その他会社員150人を対象に、「新社会人・若手社会人の意識調査」を実施しました。
今回は、30歳以上の製造業エンジニア150人と一般会社員150人に調査した「新社会人に読んでほしい書籍と伸ばしてほしい能力・姿勢」に関するデータを加えたレポートを公開します。
学生から社会人になると、さまざまな面で成長することが求められます。
先輩社会人は、新社会人を含めた若手に対してどんな能力・姿勢を伸ばしてほしいと考えているのでしょうか。読んでほしい書籍や伸ばしてほしい能力・姿勢について先輩社会人に質問してみました。
また逆に、若手が尊敬できると感じる先輩の姿とはどんなものか、先輩と若手の意識の違いについても調べてみました。
調査結果サマリー
先輩からのオススメ書籍は「嫌われる勇気」「論語」「道をひらく」
まずは先輩社会人を対象に、新社会人に「仕事に役立てるために読んでほしい」と考える書籍の名前を挙げてもらった。
回答者300人からさまざまな書籍が挙げられ、複数人から「読んでほしい」と回答があった書籍は次のとおり。数年前にヒットした『嫌われる勇気』、古典の『論語』、パナソニック創業者・松下 幸之助氏の短編随想集『道をひらく』の名前が挙がった。
・「嫌われる勇気―――自己啓発の源流『アドラー』の教え」[著者:岸見 一郎、古賀 史健 出版社:ダイヤモンド社](3人)
・「論語」(3人)
・「道をひらく」[著者:松下 幸之助 出版社:PHP研究所](2人)
また『マネジメント』や『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』など、挙げられた書籍名は異なったが、ピーター・ドラッカー氏関連の書籍を挙げる回答者も4人いた。
なお、次のような技術系書籍(雑誌含む)の名前を挙げた製造業エンジニアもいた。
・「Interface」[出版社:CQ出版](1人)
・「CODE COMPLETE 完全なプログラミングを目指して」[著者:Steve McConnell 出版社:日経BP社](1人)
・「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして」[著者:大野 耐一 出版社:ダイヤモンド社](1人)
・「下町ロケット」[著者:池井戸 潤 出版社:小学館](1人)
・「達人プログラマー システム開発の職人から名匠への道」[著者:Andrew Hunt、David Thomas 出版社:ピアソンエデュケーション](1人)
新社会人が伸ばしたいのは「専門知識・スキル」(57.7%)だが、先輩社員が求めるのは「責任感」(50.9%)
・入社1~3年目の若手社会人は、どのような能力・姿勢を伸ばしたいと考えているのだろうか。
最も多かったのは「コミュニケーション能力」で74.0%。次いで「専門知識・スキル」(57.7%)、「積極性」(50.0%)、「行動力」(49.7%)となった。
・一方、新社会人を含む若手社会人を見守ることになる先輩社会人は、どのような能力・姿勢を伸ばしてほしいと望んでいるのだろうか。
一番多く挙げられたのは「コミュニケーション能力」(60.4%)で若手社会人の考えと同じだったが、2番目となったのは「責任感」(50.9%)、3番目は「向上心」(40.3%)になるなど、若手との考え方の違いが浮き彫りになった。
若手が尊敬できる先輩は「仕事の指示が丁寧」(67.3%)、「ミスしたときフォロー」(64.4%)、「発言に一貫性」(52.7%)
・逆に、若手社会人はどんな上司・先輩を求めているのか、調べてみた。
若手社会人が「尊敬できる上司・先輩」像として挙げたのは、「仕事の指示・説明が丁寧である」(67.3%)、「自分がミスしたときにフォローしてくれる」(64.4%)、「発言内容に一貫性がある」(52.7%)などとなった。
・この設問でも、先輩社会人側に新社会人にどのような姿を見せたいかと質問してみた。その結果、「仕事の指示・説明を丁寧にする」(48.7%)、「新入社員がミスしたときにフォローする」(42.4%)という上位2項目については若手社会人と同じになった。
・この結果を若手と先輩とで比較したグラフは次のようになった。どちらも複数回答形式で質問を投げ掛けたが、若手社会人の方が上司・先輩に求める事柄が多くなった。
両者の意識で特に差が開いたのは、「優しい表情・態度」(若手51.7%、先輩23.7%)と「感情をコントロール」(若手47.0%、先輩26.7%)。若手が上司・先輩に求めているほどには、先輩は若手に対して「優しい表情・態度」をとって「感情をコントロール」しようとは考えていないようだ。
調査概要
調査方法:ネットリサーチ
期間:2017年5月19日~26日
対象:
入社1~3年目の若手社会人 事務系・その他職種:150人、技術系職種:150人
30歳以上の先輩社会人 一般職:150人、製造業エンジニア:150人