ポイント
- テレワークで「生産性が上がった」と感じた人の割合は、20代では50.0%、50代は24.8%と年代で大きな差
- 製造業系エンジニアの38.0%がテレワークで「生産性が下がった」と回答。上がったと感じた人(32.0%)より6.0ポイント高い結果
- 若い世代の方が在宅勤務に向いている? 50代に比べて20代は「課題」を感じにくい傾向に
- 製造業系エンジニアは、IT系エンジニアよりも在宅勤務に課題感多く
- 在宅勤務の効率を上げるために重要なのは「身だしなみ」「息抜きと時間の管理」「ICT、IT環境」
調査概要
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む20~50代の会社員400人を対象に、「テレワーク(在宅勤務)」に関するアンケート調査を行いました。
前回調査において、製造業系エンジニアの51.5%、IT系エンジニアの実に75.7%がテレワークで在宅勤務を行っているという結果が出ました。
新型コロナの流行にかかわらずテレワークでの在宅勤務を継続、推奨していく企業は今後も増えていくことでしょう。
ワークスタイルだけでなくライフスタイルまで変化させたテレワーク(在宅勤務)ですが、実際に行ってみて、またオフィスでの作業と比べて生産性に違いはあるのかどうか、さらにテレワークを導入する上での課題について調査しました。
「会社員2540人のテレワーク実態調査」製造業系エンジニアの51.5%、IT系エンジニアの75.7%がテレワークで在宅勤務。人気ツールは「Microsoft Teams」と「Zoom」
【会社員2540人のテレワーク実態調査】テレワークを導入できない理由、製造業系エンジニアのトップは「テレワークで対応できない業種だから」、IT系では「セキュリティの問題」
調査結果サマリー
テレワークで「生産性が上がった」と感じた人の割合は、20代では50.0%、50代は24.8%と年代で大きな差
・「テレワーク(在宅勤務)で仕事をしている」と回答した東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)在住の非エンジニアを含む会社員400人(製造業系エンジニア100人、IT系エンジニア100人、非エンジニア200人)を対象に行ったアンケート調査の結果、「テレワークの方が生産性が上がった」と33.0%が回答した。
・「テレワークの方が生産性が下がった」と回答したのは31.3%だった。
・年代別に集計した結果、「テレワークの方が生産性が上がった」と回答した率は20~29歳が最も高く50.0%だった。
・最も低かったのは50~59歳で24.8%だった。年齢が上がるにつれ、「生産性が上がった」と感じる割合は低くなっている。
製造業系エンジニアの38.0%がテレワークで「生産性が下がった」と回答。上がったと感じた人(32.0%)より6.0ポイント高い結果
・テレワークの生産性について職種別に集計した結果、「テレワークの方が生産性が上がった」と回答した人はIT系エンジニアが最も多く38.0%、続いて製造業系エンジニアが32.0%、非エンジニアは31.0%だった。
・一方、「テレワークの方が生産性が下がった」と回答した人は製造業系エンジニアが最も多く38.0%、続いて非エンジニアが32.0%、IT系エンジニアが23.0%だった。
・製造業系エンジニアはテレワークにより生産性が上がったと感じた人よりも、下がったと感じた人の方が6.0ポイント多かった。
若い世代の方が在宅勤務に向いている? 50代に比べて20代は「課題」を感じにくい傾向に
・テレワークで在宅勤務を行う上での課題について聞いたところ、トップは「コミュニケーションが取りにくい」(38.0%)だった。続いて「1日中自宅にいるので光熱費が上がった」(29.0%)、「自宅では仕事に集中できない・効率が落ちる」(28.0%)となった。
・回答を年代別に集計した結果、「コミュニケーションが取りにくい」と回答した人は20~29歳で29.2%、30~39歳は35.6%、40~49歳は39.8%、50~59歳は46.7%だった。年齢が上がるにつれ、テレワークでは「コミュニケーションが取りにくい」と感じる率も上がることが分かった。
・「社員・組織のマネジメントが難しい」についても同じく、20~29歳で6.3%、30~39歳は7.9%、40~49歳は11.2%、50~59歳は25.7%と、年代で結果に大きな差が出ている。こちらについては、社内でマネジメントを担う立場が一定の年齢以上の層に多いことが原因の一つとして考えられる。
製造業系エンジニアは、IT系エンジニアよりも在宅勤務に課題多く
・回答を職種別に集計した結果、「コミュニケーションが取りにくい」と回答した人は製造業系エンジニアで45.0%、IT系エンジニアは33.0%、非エンジニアは37.0%だった。製造業系エンジニアはIT系エンジニアに比べて12.0ポイント高い結果となった。
・「パソコンのスペックが十分ではない」(製造業系エンジニア:18.0%、IT系エンジニア:22.0%、非エンジニア:17.5%)、「パソコンやタブレットなど個人所有のツールを使っている」(製造業系エンジニア:15.0%、IT系エンジニア:15.0%、非エンジニア:19.5%)以外の全ての項目において、製造業系エンジニアの回答率がIT系エンジニア、非エンジニアよりも高くなっている。
・一方、在宅勤務における課題について「特にない」と回答したのはIT系エンジニアが最も多く11.0%、続いて非エンジニアの7.5%、製造業系エンジニアは5.0%だった。
在宅勤務の効率を上げるために重要なのは「身だしなみ」「息抜きと時間の管理」「ICT、IT環境」
・「在宅勤務における課題」について、解決するために実施している取り組みやアイデアを聞いたところ、「スーツに着替える」「化粧をする」など、出勤時と同じように身だしなみを整えてデスクに向かうことで気持ちを引き締める、「昼休みはスマホゲームでリラックス」「通勤時間帯にジョギング」などでオンオフの切り替えをしっかりと行う、「社内VPNにアクセスできるようにする」「大きな画面のパソコンを用意する」などでICTやIT環境の整備を行うなどの回答が多く見られた。
【製造業系エンジニア】
・光熱費がかかるのは仕方ないので、食費等を節約する(29歳・女性)
・1日1回はグループミーティングを実施してコミュニケーションを取るようにしている(50歳・男性)
・社内のVPNにアクセスしたり、個別のPCに紐づけられたソフトウエアライセンスの見直しがないと、技術職の在宅勤務は難しい(35歳・男性)
・大容量のファイルは、あらかじめCドライブにダウンロードしておく(56歳・男性)
・在宅ワークのために大きな画面のパソコンを用意することは必要だと思う(26歳・男性)
・勤務時間にはgoogleハングアウトをオンラインにして、いつ誰から連絡が来てもすぐに対応できるよう気を張っている(26歳・女性)
・服装のオンオフをはっきりさせている。部屋の照明は最大に明るくしている。早い時間から仕事を始めている(54歳・男性)
・化粧をする。時間を決めて、ちょっとした運動を挟みながら仕事をする(32歳・女性)
【IT系エンジニア】
・スマホアプリで時間管理を意識しながら仕事とプライベートを分ける方法を模索中です(26歳・女性)
・必ず化粧をする(28歳・女性)
・スマホゲームで昼休みはリラックスしながら線引きしています(26歳・女性)
・体操してリフレッシュする習慣が在宅ワークのバランス維持に必要だと思います(25歳・女性)
・出社している時と同じように、同じ時間に起きて、同じ時間に食事をし、身支度をしている(46歳・男性)
・Apple Watch の指示に従い、リフレッシュするようにしている(55歳・男性)
・毎朝、会社でしていたのと同じように熱いコーヒーを入れて仕事に取り掛かる(54歳・男性)
・長時間連続した働き方はせず、短い時間で集中し、それを数回くりかえすように心がけています(38歳・男性)
・自宅でできるようにパソコンを借りた(31歳・女性)
【非エンジニア】
・音楽を聴きながら作業している(24歳・男性)
・普段通勤に使っていた時間帯に近所を走ったり散歩したりして、オンオフを切り替えている(33歳・女性)
・スーツを着て仕事をしている(55歳・男性)
・部屋の一角をリモートワーク用のスペースにしてデスクなどを分けている(28歳・男性)
・通勤時間が無くなったので替わりに早朝ジョギングをし、気分を高めてから仕事に入る。だらけてしまうのを防止するため、足にマッサージ器を装着して立ち上がりづらくしている。マウスピースを装着し、間食防止をしている。(電話や会議で発声しづらくなるのが難)(41歳・男性)
・必ず着替えてから仕事をする(44歳・女性)
・会議を減らす。止める(49歳・男性)
・2時間おきに散歩や筋トレを行ってリフレッシュしている。規則正しい生活を心がけ、サービス残業をしないようにしている(32歳・男性)
・アラーム機能を使ってオンオフをきりかえている(33歳・女性)
【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2020年5月21日~22日
対象:「テレワーク(在宅勤務)にて仕事をしている」と回答した東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に住む20~50代の会社員400名
–メディア関係の皆様へ—
本調査データは、ぜひ記事などでご自由にご活用ください。
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