ジャガー・ランドローバー、名車「E-TYPE」をEV化した「E-TYPE ZERO」を発表

ジャガー・ランドローバーは2017年9月7日、ジャガー・ランドローバー・クラシックが、ジャガーを代表するスポーツカー「E-TYPE」に電動パワーユニットを組み合わせた「E-TYPE ZERO」を製作したと発表した。同社がロンドンで開催した「Tech Fest 2017」で初公開された。

1961年にジャガーが発表した「E-TYPE」は、フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリ氏に「世界で最も美しい車」と称賛されたという、ジャガーを代表するスポーツカー。今回、このクラシックな名車をレストアし、電動パワートレインを搭載してゼロ・エミッション化した。

1968年式「E-TYPE Series 1.5 Roadster」をベースに、出力220kWで0-100km/h(62mph)加速が5.5秒という電動パワートレインを特別に開発して搭載した。リチウムイオン・バッテリーパックは、E-TYPEに使用していた6気筒のXKエンジンと同寸法で、重量もほぼ同じになっており、XKエンジンと同じ場所に設置できるように開発された。電動モーター(および減速ギア)はバッテリーパックの真後ろの、E-TYPEのギアボックスと同じ場所に納められている。総重量は元のE-TYPEより46kg軽くなった。

現行のガソリン・エンジンやトランスミッションと同じ重量/寸法の電動パワートレインを使用することで、サスペンションやブレーキなど車体の基本構造を変更する必要がなく、電動パワートレイン化と認証取得が簡単になる。前後の重量配分も変わらず、オリジナルのE-TYPEのような走行とハンドリング、乗り心地、ブレーキングが体験できる。

6気筒のXKエンジンは1949年から1992年まで製造していた「E-TYPE」、「XK120」、「Mark II」、「XJ6」など、当時のジャガーの大半に採用されていたため、これらの車両すべてに、新しい電動パワートレインを組み込むことも可能となる。

E-TYPE ZEROの電動パワートレインは、ジャガー・ランドローバー・クラシックからのブリーフィングをもとに電動パワートレインのスペシャリストがジャガー・ランドローバーのエンジニアと協力して開発している。今後発売予定の、同社初のエレクトリック・パフォーマンスSUV「I-PACE」の技術やコンポーネントも取り入れられている。

軽量化と優れたエアロダイナミクスにより、270km(約170マイル)という実用的な航続距離を実現し、40kWhのバッテリーは家庭用電源を使って通常6〜7時間で充電可能だ。

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