イギリス下院が2018年1月25日、イングランドにおけるエンジニアリングの研修制度についての統計を発表した。この研修制度は「アプレンティシップ(Apprenticeship)」と呼ばれるもので、日本でいうインターンシップのような制度だという。実際の社会で働きながらスキルを身につける制度のようだ。
昨今、ロンドンではエンジニア不足が続いているといわれ、イギリスのユーロ離脱も手伝って、優秀な人材が流出しているという。アプレンティシップ研修制度には、エンジニアリング分野で十分な数の人材を確保しようという期待が込められているようだ。
ただ、2016年度にアプレンティシップをスタートさせた参加者は約49万人。前年度よりも1万8000人ほど減少している。特に25歳以上で研修に参加する人数の減少が目立つ結果となった。
原因としては、研修制度のサポート基金が変更され、2017年5月から雇用者側に研修費用が課金されるようになったことが影響したのではないかと分析されている。雇用者側が、研修参加者に費用をかけるよりも、所属する社員のスキルアップのための費用に充てたいとの考えが背景にあるのではないかという。
エンジニアリングや製造技術の分野で見ると、研修参加者の人数は約7万4000人で、前年度より約3000人減少した。
専門家は、この減少が研修費用の課金によるものなのか、一時的なものであるのかの見極めは難しいとしている。しかしながら、エンジニリング分野で人材育成が期待された制度の思わしくない数字の減少に、イギリスのメディアはこのデータを不安視しているようだ。