量子ドットとLED封止剤用樹脂を混合した、発光する複合体のサンプル提供を開始 GSアライアンス

UV照射下での量子ドットとLED封止剤用シリコーン樹脂との複合体

GSアライアンスは2018年6月6日、InP/ZnS量子ドットやペロブスカイト型量子ドットとLED封止剤用シリコーン系樹脂を混合した発光する複合体を作成し、サンプル提供を開始したと発表した。熱硬化させるとLEDやマイクロLED用発光材料として応用できる可能性がある。

量子ドット(Quantum Dot)とは、量子化学、量子力学に従う光学特性を持つナノスケールの超微細結晶をさす。大きさは通常直径0.5〜9nmで、1個あたりの原子、分子数は10〜1000個といわれる。ナノ結晶のサイズによってバンドギャップを調節できることから、粒径に依存した特徴的な発光特性を持つ。このため、サイズを変化させることで発光波長を調整できる。固体の蛍光体と比べてスペクトルの半値幅が狭いという特徴があり、また量子効率が高い。幅広い波長を吸収することも可能だ。

量子ドットは鮮やかに広範囲の波長の光を発せられるとともに、高効率、長寿命で高い減衰係数を持つ。光の吸収もできるため、応用の幅は、太陽電池、ディスプレイ、生体イメージング、バイオマーカー、医療画像装置、量子コンピューター、セキュリティタグなど幅広い。

同社ではすでに数種類の量子ドットを合成販売している。今回は、すでに製造販売しているInP/ZnS量子ドットとペロブスカイト量子ドットの2つを、LED封止剤用シリコーン系樹脂と混合し、発光する複合体を作成した。また、量子ドットの弱点である耐光性、耐熱性、耐水性などを抑制するために、シリカ系の無機材料でコーティングした量子ドットも作成したが、液中での透明性が失われるので、用途によっては分散性を向上させるなどの検討が必要だという。

今後同社では、他の種類の量子ドットとLED封止剤用樹脂との複合体、無機コーティングも検討していく予定だ。

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