無理抜き成形可能なPPSのグレード検証結果、ポリプラスチックスが公開

冷却系部品例

ポリプラスチックスは2018年9月19日、同社の直鎖型PPS「ジュラファイドPPS」について無理抜き成形が可能なグレードを検証し、検証結果を同社サイトに公開したと発表した。

無理抜き成形とは、製品にアンダーカットがあっても、二方向へ「無理」に製品を変形させて金型から離型する成形方法。金型の合わせ目がなくなるため、バリレス成形が可能になる。バリ取り工程を省けることから、コスト削減を期待できる。

無理抜き成形の工程例

これまで無理抜き成形は、ポリアミド系の材料を主に使う自動車の冷却系部品などで用いられてきた。ただし、ポリアミドには加水分解による強度低下や吸水による寸法変化といった欠点がある。そこで耐熱性や耐薬品性に優れ、200℃以下で溶解する有機溶媒がないPPSがポリアミドに代わって採用されるようになってきている。

だが、PPSは材料自体がもろいため、無理抜き成形が難しい。自動車の冷却系部品などでは金型設計にアンダーカット形状が発生し、金型の合わせ目にバリが生じてしまうのだが、PPSを採用した場合にはバリ取りで対応せざるを得なかった。その結果、コスト増を招いていたという。

ポリプラスチックスは、無理抜き成形が可能なジュラファイドPPSを紹介していくことで、設計の自由度を高めて材料選定の拡大につなげたい考え。今後も、素材メーカーとして保有する材料技術の情報に加えて、成形・加工技術も含めて情報発信していく計画だ。

関連リンク

プレスリリース
無理抜き成形を実現する ジュラファイド PPS

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