- 2019-1-18
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- JAXA(宇宙航空研究開発機構), Jim Bridenstine, NASA(米航空宇宙局), New Horizons(ニューホライズンズ), Ultima Thule(ウルティマトゥーレ), はやぶさ2, リュウグウ
NASA(米航空宇宙局)は2019年1月1日、無人探査機「New Horizons(ニューホライズンズ)」が、太陽から約65億km離れた天体「Ultima Thule(ウルティマトゥーレ)」の接近に成功したと発表した。ウルティマトゥーレは、太陽系の中で海王星軌道より遠いカイパーベルト天体のひとつで、原始太陽系の物質が今も残るとされている。今回、直接観測できたことは、太陽系の成り立ちを紐解く鍵になると期待できる。
ニューホライズンズはウルティマトゥーレにわずか3500kmまで接近し、その姿を撮影。データを約10時間かけて地球に送信した。データによると、大きさは約32×16kmでボーリングのピンのような形状をしている。回転軸を探査機側に向け、プロペラのようにくるくると回転していた。
「我々は初めて冥王星探査に成功しただけでなく、探査史上最も遠い天体に接近することができた。これは太陽系誕生時の物質を直接観測できる初めての機会だ」とNASA長官のJim Bridenstineは語る。今後20カ月にわたってデータがさらに送られてくる予定で、「宝の山を掘り起こすのが待ちきれない」と、期待を明らかにしている。
ニューホライズンズは2016年1月に打ち上げられ、2015年に冥王星やその衛星に接近。少なくとも2021年までは探査を続ける予定だ。
なお、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用する小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」への初めてのタッチダウンを2019年2月後半に予定している。タッチダウン地点の選定も大詰めで、こちらも目が離せない。