- 2019-5-23
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- DNP粘接着フィルム, プラスチック, 人とくるまのテクノロジー展2019横浜, 大日本印刷(DNP), 構造用接着剤, 炭素繊維, 異素材接合, 硬化反応
大日本印刷(DNP)は2019年5月22日、金属やプラスチックなどの異なる素材を接着できる「DNP粘接着フィルム」の新タイプを開発したと発表した。
近年、自動車などの軽量化のため、金属素材の一部をプラスチックや炭素繊維などの素材で代替する事例が増えている。
特に金属素材とプラスチックの接合には、金属に溶融したプラスチックを押し出して成形する方法や、接着剤や粘着テープによって接着する方法が使用されていた。しかし、接着剤は、配合が難しい上に液ダレや液のはみ出しが発生。また、粘着テープは、変形しやすく熱で機能が損なわれるなどの課題があった。
そこで、DNPは今回、2枚の粘着テープを貼り合せることで硬化反応を起こし、5℃以上、約1日の放置で実用強度の接着力を発揮する接着フィルムを開発した。同フィルムは、テープ状であるため、液ダレや液のはみ出しなどは発生しない。部材の位置ズレなども抑制しやすいことから作業効率が向上。また、異素材の強固な接合が可能で、高い耐熱性やクリープ耐性、せん断への耐性から構造用接着剤としても使用可能だ。
DNPは、同フィルムを異素材接合へのニーズが高いモビリティ用部材、建築用部材、電子部品などに販売し、2022年度に年間で10億円の売上を目指すという。なお、同製品は、5月22日~24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」で紹介する予定だ。