沖電気は2019年6月3日、グループ会社の沖電線が、伸縮可能なフレキシブル基板「伸縮FPC」を開発したと発表した。
フレキシブル基板(FPC)は柔軟性や軽薄性に優れるが、衣服型のウェアラブルデバイス用の配線材として使用する場合には、上記に加えてさらに人の動きに追従するための伸縮性や、機能部品などを搭載できる実装性が求められる。
今回の開発では、従来からFPC基材として用いられるポリイミドに代わって、伸縮可能な基材を使用。同基材はゴムのように何度も伸縮でき、しかも耐熱性も有しているため、はんだによる部品実装も問題なくできる。さらに、回路導体には、従来のFPCと同じく銅配線を採用。配線を工夫して伸縮する基材に追従できるようにした。伸縮時の導体抵抗値の変化が小さな銅配線を採用することで、センサーとしても使用できる。伸縮FPCを胸部に巻きつけ、銅配線内の信号変化を計測することで胸部内を診断するウェアラブルセンサーへの利用などが期待できるという。
発売は2019年6月からで、2020年度に1億円以上の売上を目指す。
なお、2019年6月5日から7日まで、東京ビッグサイトで開催される「JPCA SHOW 2019(第49回国際電子回路産業展)」に、伸縮FPCを出展する予定だ。