- 2019-7-10
- ニュース, 技術ニュース, 電気・電子系
- 5G, ESL, IC, デカップリングコンデンサ, 太陽誘電, 積層セラミックコンデンサ
太陽誘電は2019年7月9日、スマートフォンやウェアラブル端末などのIC電源ライン向けデカップリング用として、0.6×1.0x0.064mm(最大値)の積層セラミックコンデンサ「AWC105BJ224M6」を商品化したと発表した。低ESLも達成することで、昨今のIC高速化に対応したという。
近年、機器の薄型化や多機能化、バッテリーの大型化などに伴い、部品の実装面積は小さくなっている。そのため、搭載される電子部品の一層の小型化など、さらなる高密度実装が求められている。
また、第5世代移動体通信(5G)のサービス開始など、スマートフォン高性能化に伴って、ICはさらなる高速化が進んでいる。その安定動作には、低ESLのデカップリングコンデンサをICの周囲に配置することが必要となる。
デカップリングとは、ICなどの電源ラインにおいて、ICの動作に必要な電気を供給するとともに、電源ラインを経由して入り込むノイズなどを除去することをいう。一方、ESLとはコンデンサに含まれる微小なインダクタンス成分のことだ。この値が小さいほど高周波特性が向上する。
太陽誘電は今回、従来のシート薄層技術を高度化することで、厚さ0.064±0.01mmの積層セラミックコンデンサの作製に成功。さらに、外部電極を長手方向に配置することで低ESLも実現した。定格電圧は4V、温度特性はX5R、公称静電容量は0.22μF、静電容量許容差は±20%、長さ0.6±0.04mm、幅1.0±0.04である。
AWC105BJ224M6は2019年6月から、玉村工場(群馬県佐波郡玉村町)にて量産を開始している。サンプル価格は1個20円だ。