- 2019-10-25
- 化学・素材系, 製品ニュース
- ADVANCED 4D NANO DESIGN, DUNLOP, Tyre Leap AI Analysis, エナセーブ NEXT III, セルロースナノファイバー, 住友ゴム工業, 水素添加ポリマー
住友ゴム工業は2019年10月24日、従来のポリマーとは全く異なる「水素添加ポリマー」を用い、ウエットグリップ性能の低下を従来品比でほぼ半減させたDUNLOPのフラッグシップ低燃費タイヤ「エナセーブ NEXT III」を2019年12月1日から発売すると発表した。発売サイズは195/65R15 91Hの1サイズで、希望小売価格は2万5100円(税別)だ。
タイヤは使用による摩耗や経年により、新品時から性能が低下していく。同社は独自のAI技術「Tyre Leap AI Analysis」と新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を駆使し、タイヤの摩耗や経年による性能低下のメカニズムを分子レベルで解明。これまでタイヤに用いていたポリマーとは全く異なる水素添加ポリマーを初めてタイヤに採用することで、ゴム内部の分子の強い結合力と切れても戻る結合を実現し、ウエットグリップ性能の低下を従来品比でほぼ半減させた。
さらに今回、国が重点産業として推進している高機能バイオマス材料のセルロースナノファイバーを世界で初めてタイヤに採用した。具体的には日本製紙のセルロースナノファイバー「セレンピア」を採用し、ゴムへのコンパウンディングには三菱ケミカルのカーボンブラックマスターバッチの製造技術を活用することで、高次元でセルロースナノファイバーが分散したゴム材料を開発。セルロースナノファイバーをタイヤの周方向(回転方向)に配列することで、周方向には硬く強い性質でありながら径方向における柔らかさを兼ね備えた。