- 2022-3-25
- 用語集
- CAD(Computer Aided Design:コンピューター支援設計), CAE(Computer Aided Engineering:コンピューター支援エンジニアリング), CAM(Computer Aided Manufacturing:コンピューター支援製造), メイテックネクスト, 機械設計エンジニア
機械設計エンジニアはCAD(Computer Aided Design:コンピューター支援設計)やCAE(Computer Aided Engineering:コンピューター支援エンジニアリング)などを使いながら、コンセプトに基づいた機械を設計する仕事です。また、自ら設計コンセプトを考えることもあります。よりよい製品を作り世に送り出すことで、社会貢献することもできることから、機械設計はやりがいが大きな仕事です。
今回は機械設計エンジニアの仕事内容を解説し、さらにどうすれば機械設計エンジニアの給与がアップするかを解説します。
目次
機械設計の仕事内容
さまざまなメーカーで活躍の場が広がる機械設計について、機械設計エンジニアの基本的な説明と仕事内容を解説します。
機械設計とは?
機械を作るために欠かせない工程が「設計」で、機械の場合は設計のことを特に「機械設計」と呼びます。
設計される機械の例としては、工作機械や建設機械、自動車、家電製品などが挙げられます。設計する機械やその役割によって、制御設計エンジニア、機構設計エンジニアなど、職域をより明確に示した呼び方をされることもあります。
機械が活躍する場面は非常に広く、もはや機械が必要とされない業界はないと言っても過言ではありません。言い換えると、機械設計エンジニアのニーズが尽きることは考えにくく、機械設計は将来性が高い仕事とも言えます。
設計には機械が動く仕組みや原理を理解するなど、工学的な知識が必要です。ただし工学はあくまでも学問の世界の話であり、実務においては工学の知識に加えて、製造や部品コストなども考慮した設計を求められます。
また、機械設計は1人で行う仕事ではありません。機械のコンセプトを作る人、設計を図面に起こす人、設計内容が適切かどうか確認・テストする人など、多くの人とかかわる仕事です。
そのため工学的知識だけでなく、コミュニケーション能力や、物事を他の人に分かりやすく説明する論理的思考力、表現力が欠かせません。
また機械設計では「従来の機械より、さらによい機械を作る」ことが求められますから、設計コンセプトの理解力や、限られた予算の中でよりよいモノを作ろうとする探究心が求められます。
機械設計エンジニアの仕事内容
機械設計エンジニアの仕事は、単純にコンセプトに基づいた機械設計をするだけではありません。
機械設計エンジニアは、設計する機械のコンセプトを理解し、設計を依頼する担当者や顧客の意図を理解して、本質的な要求を設計書に反映させなければいけません。
そのため設計コンセプトをしっかり理解し、必要に応じて設計される機械にとってプラスとなる提案を行うこともあります。
実際の設計作業ではCADやCAM(Computer Aided Manufacturing:コンピューター支援製造)、CAEなどの技術を使います。
設計図を描くにはほとんどのケースでCADを利用します。また設計した機械の動きや表面・内部の温度変化、部品が受ける圧力などはCAEでシミュレーションできます。設計にはこのようなコンピューターによる支援が欠かせないため、CADやCAEを使う技術が機械設計エンジニアには求められます。
また、機械設計エンジニアが思い描く設計を作図するための、CADオペレーターもいます。エンジニアは設計に専念し、作図はCADオペレーターに任せるという仕事の進め方です。
設計の仕事は、製品の開発に必要な部品設計や技術開発にもかかわるため、機械設計エンジニアの仕事領域はとても幅が広いです。
機械設計エンジニアのやりがい
自分が設計した機械が世の中で使われる、役に立つことにやりがいを感じる機械設計エンジニアはとても多いです。機械工学の知識を使って人々の役に立てることや、設計した機械が世の中を支えることは、エンジニアとしてとても刺激的なことでしょう。
また、設計を通じて機械工学やモノ作りの分野を突き詰めていけることは、エンジニアとして知的好奇心や探究心を満たすに十分なことと言えます。
つまり、世の中のニーズや市場で求められている機械を設計し、機械設計を通じて世の中を変えていくことに面白さを感じられる方は、機械設計エンジニアに向いていると言えます。
機械設計エンジニアの年収
機械設計エンジニアの給料・年収はどのくらいでしょうか。年齢別の具体的な平均年収をご紹介します。
機械設計エンジニアの世代別の平均年収(賞与含む)は以下のとおりです。
40歳以降から平均年収の上昇幅が大きくなる傾向にあります。
また、機械設計エンジニアが転職時に希望する年収は以下のとおりです。
転職希望者がアップさせたい年収の幅はおよそ30~40万円ほどがメインとなっています。
機械設計エンジニアの年収を決める要因
機械設計エンジニアの給料・年収について見てきましたが、機械設計エンジニアの給料・年収はどのように決まるのでしょうか。いくつかの要因を挙げていきましょう。
例)企業規模
厚生労働省が実施した令和2年賃金構造基本統計調査の結果を見ると、企業規模別にみた賃金は、男性の場合、大企業で37万7100円、中企業で 33万1700円、小企業で30万2400円となっています。
例)年齢
日本のメーカーは、年齢や勤続年数に応じて賃金が増える年功序列型の賃金制度を導入しているところがほとんどです。
機械設計エンジニアの給料・年収も、年齢や勤続年数が上がるにつれて増える仕組みになっていることが多いでしょう。
例)産業
しっかりと利益を出せている企業は、社員の給料・年収を増やすことができますが、儲かっていない企業はそれができません。
dodaが2021年12月に公開した平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】によれば、同じメーカーであっても、自動車/輸送機器メーカーの平均年収が472万円、機械/電気機器メーカーの平均年収が464万円、ゲーム/アミューズメント機器メーカーの平均年収が490万円、玩具メーカーの平均年収が389万円。医療機器メーカーに至っては554万円となっています。
例)資格
業務に役立つ資格を保有している場合、資格手当として給料に上乗せしてくれる企業もあります。
日本機械設計工業会のサイトを見ると、同団体の機械設計技術者試験で1級を取得した場合、群馬県のアートエンジニアリングは年間24万円を支給していると紹介されています。
機械設計エンジニアが年収アップを図るには?
では機械設計エンジニアが年収をアップするためにはどうすればよいのでしょうか。
年収を上げるには、スキルを培ってキャリアを挙げていくことが早道です。機械設計エンジニアとして目指す立場や年収を明確にして、日々の業務や勉強に取り組んでください。
現職でキャリアアップを目指す
給料を上げるにはスキルを高めることが不可欠です。機械設計エンジニアとして優秀だと評価されることが大前提となります。
エンジニアの評価制度がしっかりしている企業であれば、昇給や年収アップを目標に業務や自学自習を通じてスキルアップをしていけば、給料は自然と上がります。
また資格の取得はスキルのアピールにつながるため、未経験の方や派遣社員から正社員を目指す方などは、資格取得も目指すとよいでしょう。実務に役立つ資格にはCAD利用技術者試験や技術士が考えられます。また実務を通して、機械設計技術者試験の合格を目指すこともおすすめです。
年収が高い企業に転職する
転職は年収をアップするために有効な方法です。例えば中小企業から大企業に転職したり、設計の業務経験を生かせるマネージャー職に転職したりするなど、これまでの会社経験を基に、より給料が高い企業に転職する方法です。
転職後の実際の給料や残業時間、業務内容などはなかなか表に出ることはありません。失敗しない転職のためには、エンジニアの転職に特化した支援サービスを利用すると、欲しい情報が入手しやすくなります。
エンジニアの転職支援サービスを使えば、業界に詳しいコンサルタントがあなたの適性と市況を踏まえて求人情報を提案してくれます。また忙しいエンジニアのために、土日など休日にも対応してくれるコンサルタントもいます。
派遣社員として働いているが正社員に転職したいという方や、30代を迎えて今後のキャリアを考えたいという方、40代のエンジニアとしてキャリアのゴールを探している方などが、転職支援サービスを利用することで、年収がアップしたり、キャリアがより明確になったりする事例は多くあります。
機械設計の今後
機械設計エンジニアの仕事は、今後どうなっていくのでしょうか。
経済産業省が2018年に発表した「理工系人材需給状況に関する調査結果」によると、機械工学が「5年後技術者が不足すると予測される分野」として考えている企業が最も多く、1324社のうち12.4%が該当したそうです。
こうした状況は数年程度のスパンで改善されるものではありませんから、今後しばらくは機械設計エンジニアの需要は高いままだと考えられます。
それでも、他の職種にも言えることですが、「機械設計の仕事はいずれ人工知能(AI)によって、奪われてしまうのではないか」と懸念する人もいるかもしれません。
製造業でも、AIを活用して製品検査時の不良品を判別するなど、活用事例が増えてきています。機械設計の仕事も、AIによって代替可能になってしまうのでしょうか。
機械設計エンジニアの仕事においてもAIを活用することで、製図や解析などの一部の仕事を効率化できるようになっていくでしょう。しかし、機械設計エンジニアは製図や解析以外の仕事も多いです。すべての業務がAIに置き換わるとは考えづらく、逆に機械設計の専門性を生かしながらAIを使って業務効率の改善を考えられるエンジニアが高く評価されるようになっていくかもしれません。
これからの機械設計エンジニアの能力
それでは、これからの機械設計エンジニアは、どんな能力を磨いていけば企業から評価され、より高い給料・年収を得られるようになっていくのでしょうか。
まず言えるのは「図面さえアウトプットすれば良い」という考えは誤りだということです。
前述のとおり、そうした業務はAIによって一部代替されるようになっていくでしょうから、近未来の機械設計エンジニアの仕事を考えると、「コミュニケーション能力」や「想像力」などの付加価値を高めていく必要があるでしょう。
高いコミュニケーション能力
他部署の社員や顧客とコミュニケーションを取ることも、エンジニアにとって重要な仕事です。関わる人たちが全員、機械設計に知見があるとは限りません。
例えば設計変更をした場合、「どんな背景があって、仕様変更を図面(仕様書)に反映させたのか」を誰が聞いても分かりやすく説明できることが大切です。
図面を元に金型や治具を製作したり、部品の発注をする機会は多くあります。
後でトラブルを発生させないためにも、他部署と事前にコミュニケーションを交わすことも求められることでしょう。
高いコミュニケーション能力を持つエンジニアは重宝され、早い段階でマネージャー職を任されることもあります。
発想力や想像力
新製品を立ち上げる際には、既存の技術やアイデアだけでは無く、新しいものを考える発想力や想像力が求められます。日ごろから業界の動向や、最新技術についての情報をインプットしておくことで、発想力や想像力を伸ばすことができるでしょう。
展示会やセミナーに参加して最新の技術に直接触れてみたり、eラーニングを活用して新たな専門性を身に付けていくのもひとつの手段です。最近では無料のウェビナーも多く開催されているので、高いコストを掛けなくても、情報を入手できます。
多くの情報に触れることで、発想力と想像力が磨かれ、オリジナリティあふれる製品を生み出すことにつながるかもしれません。
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機械設計エンジニアとは、コンセプトに基づいて機械を設計するエンジニアです。単に設計するだけでなく、顧客や設計コンセプトを作った担当者の意図を理解した設計が求められます。
機械設計エンジニアのキャリアアップや年収アップには、スキルを磨いて資格を取ることや、実業務で成果をアピールすること、そしてより大きな規模の企業や給料が高い企業に転職することが有効です。
転職先の企業の将来性や、自分が持っているスキルの市場価値を知ることは簡単ではありませんが、エンジニアの転職に特化した転職支援サービスを使えば、業界に詳しいコンサルタントからいろいろなアドバイスをもらえます。
機械設計エンジニアの転職を考えている方はまず、エンジニア向けの転職支援サービスに相談してはいかがでしょうか。
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