- 2019-12-12
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- インプラント技術, オプトジェネティクス(光遺伝学), サイボーグ兵士, ダイナミックレンジ, ドローン, ブレインコンピュータインタフェース(BCI), 国防総省
国防総省の研究グループは、2050年までにサイボーグ兵士が戦場に配備される可能性を、調査レポート「Cyborg Soldier 2050:Human/Machine Fusion and the Implications for the Future of the DOD(サイボーグ兵士 2050:人間と機械の融合と、DODの未来に関する事項)」で明らかにしている。
レポートでは、倫理的な問題にも触れながらも、人間と機械を融合させる技術は2050年までに着実に成熟するとしている。中でも、実現可能性がある項目として、視覚/聴覚/筋肉/神経の4つを挙げた。
例えば、赤外線を認識できるように網膜組織の改造が可能で、研究の進捗を考えると2030年までには利用できる可能性があるという。眼球自体を機械に置き換えて、データを視神経に直接送信し、イメージング、視覚、状況認識といった機能を強化することもできる。
聴覚については、中耳の骨と蝸牛を置き換え、ダイナミックレンジを拡大することを想定している。超低周波や超音波も聞き取れるようになるかもしれない。
筋肉の強化には、オプトジェネティクス(光遺伝学)が利用される。皮下に埋め込んだセンサーと光パルスを使うことで、負傷した場合に治癒と治療を同時に進められるだけでなく、複雑なタスクの遂行のために筋肉をプログラムすることができる。
注目すべきは、脳とコンピュータをつなぐインプラント技術、ブレインコンピュータインタフェース(BCI)の発展だ。脳と脳の相互作用を通じて、人間と機械だけでなく、人間と人間の間で双方向通信が可能になり、将来の軍事に革命的な進歩をもたらすとしている。両手でコントローラを操作することなく、神経信号を直接ドローンに接続し、文字通り思い通りに操れる日が、30年以内に来るかもしれない。