次世代鉛フリー快削黄銅「グローブラス」を開発――低コストで導電性や熱間加工性が向上 三菱マテリアル

三菱マテリアルは2020年9月7日、次世代鉛フリー快削黄銅「グローブラス(GloBrass)」を開発したと発表した。同製品はRoHS指令などの鉛に関する各種規制に準拠しており、従来品となる鉛フリー快削黄銅「エコブラス(ECO BRASS)(以下、従来品)」と比較して導電性や熱間加工性が向上し、コストが低減している。

グローブラスは、一般黄銅をベースとして開発された。従来品の快削性や高強度を保ちつつ、銅と亜鉛の配合比率を見直すことによりメタルコストを抑制している。

また、導電率は従来品と比較して約2倍の16%で、リン青銅(13%)より高い数値となった。熱間鍛造性にも優れており、580〜650℃が最適な鍛造温度となっている。一方で鍛造用黄銅のC3771では、620℃以下や820℃で割れが発生した。

グローブラスは耐摩耗性にも優れている。アムスラー型摩耗試験を行ったところ、鉛含有快削黄銅のC3604と比較して摩耗量が非常に少ないことが確認された。

グローブラスは細棒での提供も可能なため、鉛を含有した快削黄銅が利用されているような小物部品にも適用できる。熱伝導度は、従来品の35W/m・Kから73W/m・Kに向上した。

同社は販売と並行して、鉛含有黄銅からグローブラスへの代替やグローブラスを用いた新製品の開発、同社の加工事業カンパニーとの連携による最適な切削条件や切削工具の提案といったサポートを行う。

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