デジタルトランスフォーメーションの国内市場への投資金額、富士キメラ総研が調査結果を発表

富士キメラ総研は2020年10月23日、業務変革による生産性の向上や効率化を進める上で注目されるデジタルトランスフォーメーション(DX)の国内市場を調査し、その結果を「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」として発表した。同社の予測によると、2030年度の国内DX市場は2019年度比約3.8倍の3兆425億円になるという。

今回の調査では、DXの国内市場(投資金額)を製造、流通、金融、医療/介護、交通・運輸、不動産、その他業界、業界共通である営業/マーケティング、カスタマーサービスに大別。さらに、DXに関わる12の基盤技術の市場動向や、関連事業を展開するソリューションベンダー21社の取り組みをまとめている。DXへの企業の取り組み状況を把握するためのアンケート調査も実施している。

富士キメラ総研は、DXの国内市場(投資金額)については、IoT、AI、RPA、5G、ブロックチェーンなど、DXの基盤となるデジタル技術が実用段階に入ったことで、DXへの投資は本格化していると予測する。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、非対面や人手を介さない業務プロセスの確立が求められるなど、デジタル化への関心がさらに高まっており、業務変革や顧客接点改革などがDX投資を加速させていると分析している。

同社の予測によると、交通/運輸市場の規模が2019年度には最も大きかったが、2030年度に向けて最大規模のまま拡大していくという。社会的な課題である安全に向けた取り組みに加え、CASEへの対応をはじめとする新領域への投資が活発化する見通しだ。製造、流通、不動産、その他業界は、人手不足とデジタル化の遅れにより非効率なビジネスプロセスが多く、業務変革のための投資が増加している。そのため、これらの市場も2030年度に向けて高伸長する見込みだ。

アンケート調査は、1)勤務先におけるDXの導入状況、2)勤務先におけるDXの導入もしくは実証実験を行っている目的、3)新型コロナウイルス感染症の影響により、優先度が高まったDXの目的、といった3点について実施された。1)については、2018年調査時よりDXを導入および実証実験を含む3年以内の導入計画が増加している。2)については、全体の7割以上が「業務効率化/省人化」と回答した。3)については、新型コロナウイルス感染症の影響によりリモート化や売上減少をカバーするための投資を重要視するという結果となった。

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