光や熱で形を変える“スマートマテリアル”を米大学が開発――立方体から展開図、展開図から立方体に

米ワシントン州立大学が、熱や光で形を変える“スマートマテリアル”を開発中だ。その研究内容について、専門誌「ACS Applied Materials & Interfaces」で詳細を明らかにしている。

同誌に掲載された論文によれば、立方体の形に組み立てた“スマートマテリアル”に140℃の熱を加えると、展開図の形状へと変形する。その状態から85℃まで冷ますと展開図を折り畳んだ形状に。再び85℃で熱すると展開図に戻り、そこからさらに140℃にまで上昇させると立方体の形状に戻るという。

またこちらの動画では、青い光を当てることで、“スマートマテリアル”が曲がったり、立方体を展開・組み立てする状況などを撮影している。

研究者たちはこの“スマートマテリアル”を使うことで、衛星軌道上に太陽光パネルを設置する際、バッテリーを使わずに装置を展開できるようになるかもしれないと見込んでいる。その他にも、アクチュエーターや薬物伝達システム(Drug Delivery System, DDS)、自己組立型のデバイスなどに活用できる可能性があるとしている。

ただし、製造が困難で、1度に使える機能は1つに限られるため、それほど幅広い用途で利用されることはないと考えているようだ。

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Researchers develop shape-changing smart material

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