- 2021-4-8
- 機械系, 製品ニュース
- 90MPa級超高圧液体水素昇圧ポンプ, FCV, 三菱重工業, 極低温技術, 極低温試験設備, 水素ステーション, 燃料電池自動車, 環境負荷低減, 超高圧液体水素昇圧ポンプ
三菱重工業は2021年4月6日、燃料電池自動車(FCV)の燃料となる水素を補給する水素ステーション向けに、90MPa級の超高圧液体水素昇圧ポンプを開発したと発表した。液体水素を昇圧することでエネルギー消費量を抑え、環境負荷低減に貢献するという。
今回、同社の総合研究所長崎地区にある極低温試験設備で、液体水素を超高圧の90MPaまで昇圧することに成功した。FCVは水素と酸素の化学反応で発電した電気エネルギーを使用してモーターを駆動させる仕組みとなっており、燃料となる水素を液体状態で昇圧することで、気体の水素の昇圧に比べエネルギー消費量を抑えることができる。
超高圧液体水素昇圧ポンプは、往復動ポンプ構造となっており、流量コントロールを容易にするため、引火性雰囲気でも自らが引火源とならない防爆仕様を備えたモーターによる駆動(インバーター制御)方式を採用している。
また、気化しやすい極低温流体の液体水素を取り扱うことから、吸い込み部が真空断熱容器で没水するサブマージ型となっている。液体水素昇圧ポンプの圧力の同社実績は、これまで40MPa程度だったが、90MPaまで高めており、FCVにより多くの水素燃料を充填できる。
サイズ、重量(ポンプ本体)は、全高約2.7m、全長約1.0m、全幅約0.7m、重量約2.7t。流量は1,000Nm3/hとなっている。なお、今回の開発は、液体燃料ロケット開発や舶用LNG技術開発で得た極低温技術をベースに開発/試験を実施している。