三菱ケミカルは2021年6月17日、軽量性/剛性と高耐熱性を両立した炭素繊維複合材料(CFRP)を開発したと発表した。ベース樹脂としてフェノール樹脂を使用することで高い耐熱性を持たせ、300℃でも物性が低下しないという。
軽さと強度を兼ね備えるCFRPは、モビリティ用途や産業機械用途などで利用が進むと見込まれている。しかし、汎用性が高いエポキシ樹脂をベースにしたCFRPは耐熱性に課題があった。
同社のエポキシ樹脂をマトリックス材にしたCFRPは耐熱温度が100~200℃だが、マトリックス材にフェノール樹脂を使用した開発品は300℃でも物性が低下しない高い耐熱性を持つ。CFRPの特長である高熱伝導性、高剛性、軽量性に加え、高耐熱性を付与することに成功し、これまで対応が難しかった顧客課題を解決する一助となる見通しだ。
既に一部の顧客での採用も決まり、耐熱部材などでさらに採用が広まるよう取り組んでいるという。