米調査会社、核爆弾とミサイルの市場規模が2030年に1260億ドルに拡大と予想

米調査会社Allied Market Researchは2022年3月、核爆弾とミサイルの世界市場の動向を予測したレポートを発表した。市場規模は2020年時点の726億4000万ドルに対して、2021年から2030年まで平均成長率5.4%で拡大し、2030年時点で1263億4000万ドルに達するという。

核爆弾とミサイルは、数世代にわたる甚大な影響を及ぼす大量破壊兵器として、長年問題視されてきた。それを受けて設計、開発、実験の禁止への呼びかけだけでなく、一部の核保有国では既存の兵器を解体している。しかしこういった努力の一方で安全保障問題を扱うシンクタンクや国防関係の指導者の後押しにより、各国の国防予算は核兵器の調達、保有、世代更新に対して驚くべき額が割かれている。

新型コロナウイルス感染症の影響は軍需産業にも例外なく及び、納期の遅延、購入検討会議の延期や中止が発生している。軍需産業から見たビジネスチャンスの阻害要因は、新型コロナウイルス感染症対策への予算再配分による防衛予算の執行保留や削減だ。軍備拡大を抑制するアクションも停滞するなか、世界的な緊張の高まりから核兵器の市場は拡大傾向にある。

ウクライナとロシアの間で進行中の紛争は、今後数年間の軍需産業のビジネス動向に対して、顕著な影響を与える可能性がある。例えば米国は2021年に国防予算全体の5.7%を核兵器関連に割り当てたが、2030年には8.0%に達するとの予想がある。また核弾頭の保有数は、2021年時点で米国が5550発でロシアが6255発だが、2030年にはそれぞれ6380発と6734発に達すると同レポートは予測する。

仏Airbus、英Bae Systems、米Lockheed Martinなどの軍需産業大手が、核兵器の研究開発、展示会、セミナーなどを通して、その重要性や実現可能性をアピールするための支出は、各国の国防予算配分を増加させる契機となる。これらは、今後数年間の防衛ビジネス市場が拡大する可能性を裏付けている。

関連リンク

Nuclear Bombs and Missiles Market by Type (Aircraft Bombers, ICBM, SLBM, Other), by Range (<1000km, 1000km-5000km, >5000km), by Status (Active, Reserve And Retired): Global Opportunity Analysis and Industry Forecast, 2020-2030

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