DARPAの極超音速ミサイル迎撃プログラム「グライドブレーカー」が第2フェーズに移行

アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は2022年4月15日、極超音速滑空体(HGV)を撃墜する「Glide Breaker計画」が新たな段階に入ったことを発表した。第2フェーズに向けた革新的な提案を求めている。

Glide Breaker計画は、ロシアや中国が開発するHGVへの対抗策として、DARPAが2018年に始めたもの。その名の通り、極超音速へとブースターで加速されたのち、切り離されたミサイルを「滑空中に」迎撃するシステムを開発する。第1フェーズでは、迎撃機に搭載される軌道修正/姿勢制御装置 (DACS)の開発と試験を実施した。第1フェーズに参加した米Northrop Grumannと米Aerojet Rocketdyneなどによってプロトタイプが作られ、デモンストレーションが行われてきた。

第2フェーズでは、システムの完成に向けて風洞試験や飛行試験を実施する。極超音速で飛行する迎撃機の周囲に発生する気流と、軌道修正/姿勢制御装置から生じる気流の相互作用を空気力学的に定量評価する。第2フェーズは4年計画で、3年目終了時に飛行試験を実施する想定。4年目にも飛行試験を実施するオプションが見込まれている。

DARPA戦術技術局のプログラムマネージャーであるNathan Greiner少佐は「第1フェーズでは、極超音速飛翔体を迎撃するために必要な推進技術を開発した。第2フェーズでは極超音速で飛行する迎撃機の推進制御システム設計に必要な、ジェット流の相互作用の技術的な理解が可能になる。第1フェーズと第2フェーズによって、極超音速ミサイルの脅威に対する強力な防衛能力を開発するために必要な技術的ギャップを埋めることができる」と話している。

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Glide Breaker Program Enters New Phase

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