シアトルの医療系スタートアップが約3億円の資金調達――縫合用絆創膏の市場拡大へ

シアトルに拠点を置くワシントン大学発のスタートアップKitoTech Medicalは2020年8月28日、300万ドル(約3億1900万円)の資金を調達したと発表した。同社の縫合用医療器具「microMend」の一般消費者向け製品の拡充と新規医療市場への参入を図る。

microMendは、縫合の丈夫さと絆創膏の手軽さを兼ね備えた新しい医療器具で、切り傷や外科手術の縫合と保護に使うことができる。ステンレススチール製のマイクロステープルがテープと一体化した形状で、テープを貼ると、マイクロステープルが皮膚に挿し込まれて傷口が閉じ、治癒を促進するというものだ。従来の縫合方法よりも短時間の処置で済み、外すときの痛みも少なく、傷跡もきれいだという。

microMendは従来ER(Emergency Room:救急救命室)などで使われていたが、新型コロナウイルスの流行に伴い、通院を避ける人が増えていることから、同社は2020年5月より、家庭でも使いやすいタイプの製品を販売し、売り上げを大きく伸ばしている。今回調達した資金を活用して、今後もラインアップを増やすとしている。

同時に、新規市場として外科や整形外科、産婦人科への参入も図っており、8月13日には、幅広タイプの新商品「microMend WIDE」を発表した。長い切開部をより速く縫合することで、手術のコスト削減に貢献する。これで5種類の製品がそろったことになり、様々な形状や大きさに対応できるとしている。

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