- 2022-10-18
- ニュース, 化学・素材系, 技術ニュース
- 2次元コード, ARマーカー, DX(デジタルトランスフォーメーション), データ埋め込み, フード3Dプリンター, フードテック, 大阪大学, 研究, 食品トレーサビリティ
大阪大学は2022年10月17日、フード3Dプリンターを用いて食品内にデータを埋め込む技術を開発したと発表した。
これまでは食品の賞味期限や産地、含有アレルゲンなどの食品に関する情報は、包装などに印字することが一般的だった。食品自体にデータを埋め込むことができれば開封後であっても情報を確認できるが、食品表面に情報を印字すると見た目に影響を与えてしまうという課題があった。
今回の研究では、クッキーをフード3Dプリンターで作製する際に、内部の特定位置に異なる生地を配置したり、生地を配置せずに空間を空けておいたりすることで、食品内部に2次元コードやARマーカーなどのコードを形成する技術を開発。さらに、クッキーの生地を焼成した際に、内部のコードパターンが表面からでは分からず、食感などにもあまり影響しない内部構造設計技術を確立した。この技術はクッキー以外の豚肉ミンチでも有効であることを確認している。
また、内部構造を透過撮影する技術によって、表面に現れていない食品内部の構造をデータとして読み出すことにも成功した。光の散乱を計算によって除去できる高周波パータンの光を背面から照射し、内部の空間コードを表面に浮かび上がらせ、それを前面からカメラ撮影する技術を用いた。
今回の研究によって、食品そのものによるDX(デジタルトランスフォーメーション)が可能となり、食品トレーサビリティを活用した食品の安全性向上や、ARと組み合わせた今までにない食の体験などの開発が期待されるという。