- 2023-2-9
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Joseph Braun, MERV-13フィルター, Richard Corsi, コルシ・ローゼンタール・ボックス, サイレント・スプリング研究所, フタル酸エステル, ブラウン大学, 有機フッ素化合物(PFAS), 空気汚染物質
米ブラウン大学とサイレント・スプリング研究所は2022年12月23日、安価で組み立てが簡単なコルシ・ローゼンタール(Corsi-Rosenthal)・ボックスが、室内で空気汚染物質を減らすのに役立つことを確認できたと発表した。
コルシ・ローゼンタール・ボックスは、MERV-13フィルター4枚、ダクトテープ、20インチのボックスファン、ダンボール箱といったホームセンターで手に入る材料で簡単に作ることができる。
同ボックスを2022年2~3月に、ブラウン大学公衆衛生学部の17室に設置したところ、複数の有機フッ素化合物(PFAS)を40~60%、フタル酸エステルを30~60%ほど低下させた。
ブラウン大学のJoseph Braun准教授によると、PFASとフタル酸エステルは、ぜんそく、ワクチン反応の低下、出生時体重の減少、子どもの脳の発達の変化、代謝の変化、一部のがんなど、さまざまな健康問題に関連している。新型コロナウイルス感染症の重症度と感染率を高める可能性もあるという。
コルシ・ローゼンタール・ボックスの発明者の1人であるカリフォルニア大学デービス校のRichard Corsi工学部長は、「このボックスは新型コロナウイルスのパンデミック時に、身近で効果的な空気清浄機を広めようと、シンプルでコスト効率の良いツールとして設計しました。空気汚染物質をろ過する効果もあるという事実は、素晴らしい発見です」と述べている。
コルシ・ローゼンタール・ボックスは日中5dB、夜間10dBの動作音を発生させる。しかしBraun准教授は、同ボックスがもたらす健康上のメリットは、動作音のデメリットを上回る可能性が高いという見解を示している。