- 2023-4-19
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IHIは2023年4月17日、IHI建材工業、横浜国立大学およびアドバンエンジと共同で、セメントを用いずにセメントコンクリートと同レベルの強度特性を有するジオポリマーコンクリート「セメノン」を開発したと発表した。
IHIの発表によると、セメノンは既存のセメントコンクリートと比較して、製造工程でのCO2排出量を最大で約80%削減できるという。セメントコンクリートでは、セメント製造時の高温焼成で多くのCO2が排出されるが、セメノンはセメントを用いないためCO2排出量を抑えることが可能となった。
また、セメノンは、アルミナシリカ粉末にカルシウム成分をほとんど含まないメタカオリンを用いている。このため、既存のセメントコンクリートと比較して耐酸性が約15倍高くなった。下水道施設や温泉施設といった酸性環境下において、構造物の使用期間を延長できる。
加えて、緻密な微細構造を有しているため、水などの物質侵入に対する抵抗性が高くなっている。
IHIおよびIHI建材工業では、既にセメノンを用いたシールドセグメントを試作している。実物大載荷試験など社会実装に求められる試験を実施しており、製品として提供可能であることを確認した。
今後は、海水に対する耐食性が求められる桟橋や消波ブロックといった港湾構造、床版や壁高欄といった橋梁用部材、浸水対策製品の防水壁などへの展開を図る。
また、中性子線を吸収するホウ素を含んだ鉱石(コレマナイト)をセメノンに含有することで、中性子遮蔽性を付加できることも確認した。
放射線の遮蔽性が求められる医療関連施設や原子力関連施設に用いることで、既存の鉄筋コンクリート壁の厚さを薄くできるため、敷地面積をより有効に活用できる。
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