エネルギー密度500Wh/kgの凝縮型バッテリー――EVや旅客機に活用が期待

中国バッテリーメーカーのCATL(Contemporary Amperex Technology Co. Limited)が2023年4月19日、エネルギー密度500 Wh/kgの「凝縮型バッテリー」を発表した。電気自動車(EV)はもちろん、旅客機への活用も可能だという。

重量当たりの蓄電量が多いほど、車両や機体の軽量化が見込めるため、エネルギー密度は航続距離に大きく影響する重要な要素だ。同社は2022年6月にエネルギー密度255Wh/kgのEV用バッテリー「Qilin」を発表し、同バッテリーを搭載するEVの航続距離は1000km以上を見込むとしていた。今回発表したバッテリーは、その約2倍のエネルギー密度を達成したことになる。

同社の研究チームは、高伝導性の生体模倣凝縮状態電解質を活用し、鎖間の相互作用をミクロレベルで調整できる自己適応型ネット構造を構築。これにより安定性を高めながら、伝導性能を向上させ、リチウムイオン輸送効率を改善した。そのほか、正極/負極材料、セパレーターに加え、製造過程に至るまでさまざまな技術を統合し、優れた充放電性能と安全性を両立させた。

現在同社は、パートナーとともに電気旅客機を開発しているという。また、自動車用凝縮型バッテリーも発売する予定で、年内に量産に入る計画だ。

関連情報

CATL launches condensed battery with an energy density of up to 500 Wh/kg, enables electrification of passenger aircrafts
1回の充電で1000km走行できるEV用バッテリー「Qilin」

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