75歳まで退職できない? 学生ローンが若年層の大きな負担に

学生ローン(有利子奨学金)の返済が、若者の生活費や貯蓄に深刻な影響を及ぼしている。

米金融サイトNerdWalletによると、2015年卒の新卒者が抱える学生ローンの平均は、2012年卒の2万9400ドルを5500ドル以上も上回る3万5051ドルとなっている。利子付きの返済額は年間4239ドル、月々にして約353ドルにも上る。

アメリカでは家賃が高騰し、2012年に比べ11%も上昇している。こうした状況で、学生ローンの負担が例年に増して高い2015年卒者が、退職後の生活資金を若いうちから蓄えることは容易ではない。そのため、平均寿命の84歳まで生きることを想定した場合、2015年卒者は75歳まで退職できないとNerdWalletは推測している。

学生ローンは日本でも年々増加傾向にある。文部科学省が発表した調査結果を見ると、2013年の日本学生支援機構の奨学金利用者は、1998年の50万人から3倍近くも膨れ上がり144万人に達している。このうち有利子奨学金利用者の割合は、1998年で約28%に過ぎなかったのが、2013年では約70%に増加している。

また日本学生支援機構の調査で、2013年の奨学金延滞者(3カ月以上)が約18万7000人だと分かった。延滞者の8割が年収300万円に満たず、苦しい生活を強いられているようだ。

関連リンク
NerdWallet’s 2015 New Grad Retirement Report

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