世界最速レベルのリレーショナルデータベース管理システム「劔(Tsurugi)」を開発 NECとノーチラス・テクノロジーズ

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2023年7月10日、同機構の「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」事業において、NECおよびノーチラス・テクノロジーズが、最新ハードウェアに適合した世界最速レベルのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「劔(Tsurugi)」を開発したと発表した。

現在データベース運用を支える環境は、CPUやメモリーなどのハードウェアは進歩しているが、管理するソフトウェアが旧来のハードウェアを前提に設計されている。このため高性能なハードウェアなら実現できるはずの、高効率かつ高速なデータ処理が難しいことが課題となっている。また、現在主流のデータベース管理システムは海外企業によるシステム提供が主流で、日本の情報産業における競争力強化のためには、高い競争力を持つ国産システムの普及が重要となる。

今回開発したRDBMSは、並列処理向けメニーコアプロセッサや大容量メモリーなどの最新のハードウェアに適合。ハードウェアの性能が向上するほどシステム全体の性能が向上するよう設計されている。

同RDBMSは、「アプリケーション基盤」「SQL実行エンジン」「トランザクションエンジン」「ログデータストア」の4つコンポーネントから構成。データの一貫性を担保するための並行性制御を高速に実施するなど、各コンポーネントで独自の設計を取り入れている。バッチ処理やデータ編集中にデータ追加ができない従来のデータベース制御とは異なり、分散化を前提とすることで世界最高レベルの性能を実現した。

画像処理や大規模データ処理などの実運用での動作検証を実施済。ベンチマークテストでは、処理性能456万TPS(Transaction Per Second)と219nsの応答遅延という世界最高レベルの性能を計測した。

NECおよびノーチラス・テクノロジーズは同日にアーリーアクセス版を公開。2023年9月下旬にはオープンソース版を公開する予定だ。

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世界最速レベルの性能を持つリレーショナルデータベース管理システム「劔(Tsurugi)」を開発 | ニュース | NEDO

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