浜松ホトニクスは2015年10月29日、イオン濃度の分布と変化の動画像が高感度で取得できるイオン検出用CMOSセンサを開発したと発表した。
このセンサは、豊橋技術科学大学澤田和明教授が提唱する「イオン濃度を電荷量として検出する画素技術」のライセンス供与を受け、同社のイメージセンサ技術とアセンブリ技術により開発。2016年春には水素イオン検出用を第1弾としてサンプル出荷を目指す。
イオン検出センサには感応膜が積層されており、計測時に検出部であるセンサチップの表面に水溶液を滴下、分析したい対象物を載せる事によりイオンの分布と変化を撮像する。感応膜を交換することにより、水素イオンだけでなく、カリウムイオンなどを検出することも可能になる。
水溶液のイオン濃度が分析対象により変化し、そのイオン濃度により発生する電位の参照電極電位に対する変化量を電荷信号として読み出すことによって、イオン分布を検出する仕組み。読み出した情報を2次元で表示することにより、動画や画像で観察することが可能になる。
この技術は一般的な光学カメラ用のCMOS技術を活用しているため、電荷信号を蓄積して動作させることで感度を高めている。検出部は可視光に感度を持つため、イオン濃度撮像と同時に通常のカメラ撮像もできる。
イオン濃度の分布と変化の動画像が高感度で取得できることから、血液検査や細胞活動の観測などの医療分野、さらに土壌・水質調査などの農業分野などに応用できるという。
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