積水化学工業は、モバイル端末の狭額縁化・薄型化ニーズに対応した業用両面テープのラインナップを強化すると発表した。主にプラスチックスを原料としたテープなどの開発・拡販を手がける同社の高機能プラスチックスカンパニーの製品で、「機能フォームテープ」と「遮光PETテープ」の2製品が強化される。
機能フォームテープでは、緩衝効果が高い「超耐衝撃Narrow Bezelテープ」に、テープ幅が従来比50%となる0.7mmのラインナップを加えた。同製品は主にモバイル端末の筐体とカバーパネルの接合に使われる、フォーム(発泡体)や特殊衝撃吸収ポリマーなどを基材とした両面テープ。今回の新製品は、幅を狭くしながら、基材部の設計の工夫により接合・緩衝機能の低下を抑制し、従来品同様の接合・防水・防塵・緩衝などの機能を持つものだ。
また、遮光PETテープでは、厚みを従来比30%の0.015mmとしたラインナップを加えた。主にディスプレイ構成部材の接合に使われる、PETを基材とした両面テープで、バックライトの光がディスプレイ端部から抜けるのを防ぐ機能を持つ。今回は、さらに厚さを薄くしながら、粘着剤の設計の工夫により従来品同様の接合機能を持ち、また耐熱性も向上させたという。
現在モバイル端末は、デザイン性や視認性、ハンドリング性へのニーズが高度化し、狭額縁化・薄型化の傾向にある。薄型化が可能なOLEDパネルの普及により一層の薄型化が可能となっているが、OLEDパネルは耐久性やコスト面での課題があるという。
このため同社は、耐久性等で優位性のある液晶パネルによる薄型化ニーズもあると判断。そうしたニーズに対応するため、端末の筐体やカバーパネル、ディスプレイなどを接合したり、部材を積層するためのテープを細く・薄くするラインナップ強化を実施した。
また同社によると、自動車分野で、安全サポートのためのバック・サイド情報や映像・音楽情報等のディスプレイ表示化などが進み、モバイル端末向けのテープなどの自動車への転用ニーズが高まっているという。このため、車載用途開拓のため、耐高温性・耐振動性などを強化した製品の開発を進めるとしている。