DICのPPSコンパウンド、3次元配線形成技術LDSの適合材料に認定

DICは2016年10月13日、3次元成型品に回路を形成する技術の1つであるレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング工法(LDS)に使用可能なポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンドを開発したと発表した。

LDSは、ドイツのプリント基板加工装置メーカーであるLPKF Laser & Electronics(LPKF)が開発した技術。LDSに使用可能な材料として認められるためには、同社の認定試験をクリアしなくてはならない。今回DICが開発した材料は、PPSコンパウンドとして世界で初めて認定試験に合格し、LDS適合材料としてリストに登録された。

同技術は、LPKFが指定する有機金属化合物を分散させた樹脂コンパウンド成型品の表面を、レーザー照射により粗化・活性化させ、照射部にのみ選択的に無電解銅めっきで回路を描画する。レジストを利用したエッチング工程などが不要なため、三次元成型品表面に回路を容易に形成できる。

PPSコンパウンドは、PPSが備える高い耐熱性や耐薬品性を維持しているため、これまでのLDS適合材料では対応できなかった自動車部位などへの部品展開が可能。自動車部品数の削減や部品軽量化への貢献が期待できる。「LP-150-LDS」の製品名で現在サンプル出荷中だ。

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