カルロス・ゴーン、日産の自動運転車やコネクテッドカーなどの将来計画をCESで講演

日産自動車のCEOカルロス・ゴーン氏は2017年1月5日、CES2017の基調講演で、シームレス・オートノマス・モビリティ(SAM)や無人運転車の実証実験など、同社が推進する「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」の取り組みについて発表した。

1、SAM
日産自動車はCES2017にて、完全自動運転実現の足がかりとなる革新的なシステム「SAM」を披露した。SAMは、NASAの技術をベースに日産が開発した自動運転技術。事故や路上の障害といった不測の事態に直面した際に、車を安全に誘導できる手段を提供する。

ゴーン氏は一例として、事故が起きて警官が交通整理の手信号を出している状況を挙げた。この場合、車は信号機ではなく手信号の指示に従い、中央分離線を越えて走行する必要がある。こうした状況に直面すると、SAM搭載の自動運転車はまず安全に停止して指令センターに通報。次に、通行のためのルートをモビリティー・マネージャーから仰ぐのだという。

問題の場所と解決法はクラウド内に蓄積され、同地域を走行中の他の車両に伝えられる。そのため、自動運転車は迂回路を自分で設定できるようになり、毎回同じ問題を支援する必要がなくなる。また、システム上に蓄積された過去の判断事例と自動運転技術の向上に伴い、必要なモビリティ・マネージャーの数が少なくなり、管理可能な1人当たりの台数が増えるのだという。

2、無人運転車の実証実験
ルノー・日産アライアンスはDeNAとともに、無人運転車の開発を目的とした実証実験を開始する。第1フェーズとして、日本の国家戦略特区にて無人運転技術の開発に集中的に取り組む。次いで、2020年までにそのスコープを拡大し、首都圏や地方都市にてモビリティ・サービスでの技術活用の検証を含んだ実証実験を行う計画だ。

アライアンスは今回の提携において、クルマづくりのノウハウと自動運転の最新技術を盛り込んだ電気自動車ベースのプロトタイプを提供。一方、DeNAはモビリティ・サービス提供のための情報技術(IT)システムの構築を担当し、オンライン/モバイルユーザー体験用の技術を提供する。

3、プロパイロット
日産は近い将来、同一車線の自動運転技術「プロパイロット」を搭載した新型「リーフ」を市場投入する。プロパイロットは、先進の画像処理ソフトウェアを搭載した単眼カメラにより、前方車両や白線を瞬時に3次元的に把握し、その情報をもとにアクセル、ブレーキ、ステアリングを制御する仕組みだ。ルノー・日産アライアンスは同技術を、欧州、日本、中国、米国で2020年までに10モデル以上に搭載する予定だという。

4、コネクテッドカー
ルノー・日産アライアンスは、先進的なコネクテッド・カーの開発と実用化を加速させるという。その1つの例として、車載用バーチャル・パーソナル・アシスタント「Cortana(コルタナ)」を挙げた。

Cortanaの音声解析機能等を車に搭載することで、ドライバーは最先端の車載用音声認識技術や直観的に使えるヒューマン・マシーン・インターフェース(HMI)のメリットを享受できるようになる。また、車が自分好みの設定に対応できるようになるだけでなく、複数の人が同じクルマを共同利用する場合に異なるドライバーの好みを理解することも可能となる。

次世代コネクテッド・サービスは、マイクロソフトのインテリジェントクラウドプラットフォームの1つである「Microsoft Azure」をベースにした「Microsoft Connected Vehicle Platform」を利用して提供する予定。これにより、高度なナビゲーション、予防メンテナンス、車両向けサービス、クルマの各種機能の遠隔モニタリング、無線ネットワークによるアップデートを通じて、ドライビングエクスペリエンスを改善できるという。

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