東レ、水産など産業資材向けに「液晶ポリエステル(LCP)繊維 シベラス」を開発

東レは2017年4月26日、「液晶ポリエステル(LCP)繊維 シベラス」を開発したと発表した。水産資材をはじめ産業資材の分野全般に向け、2017年度中に量産体制を整え、2018年度から販売を開始する。2018年度に5億円、2021年度に10億円の売上高を目指すという。

今回開発されたLCP繊維は、東レのLCP樹脂「シベラス」のポリマー技術と製糸技術の融合により実現したもの。20cN/dtex以上の高強度、500cN/dtex以上の高弾性率に加え、高寸法安定性、水中下での高い強度保持率を特徴とする。

LCP繊維は、高強度、高弾性率、高寸法安定性に加えて、吸水性が低く水中での強度保持率が高いため、船舶/海洋ロープ、漁網や養殖向けなどの水産資材用途を中心に需要が拡大している。加えて、耐熱性、耐酸性、振動減衰性、耐切創性などの特性にも優れており、広く産業資材用途での需要拡大も期待されている。

その原料となるLCP樹脂について、東レでは1997年から事業を展開している。同社製樹脂は紡糸温度領域での流動性に優れており、紡糸時の滞留安定性により、細繊度品から太繊度品まで多様な品種を安定的に生産できるという。

LCP繊維の事業化により、東レは「ポリマーから繊維までの一貫生産体制」を有するメーカーとなる。同社は、ポリマー/製糸技術の融合によって、多様な産業資材分野へLCP繊維を展開していくとともに、繊維事業で培った高次加工技術を活用して、新たな用途での需要創出を目指すとしている。

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